前回の記事から半月。

Steamなどで無料配信中の「和風」恋愛アドベンチャーゲーム『Doki Doki Literature Club!』。

俺のおぼつかない英語力で翻訳しながらここまで来るのに、こんなにかかってしまった。

なんでこんな、海外製で英語の、フリーADVにここまでのめり込んでしまったのか?

とりあえず、1周目のエンディングに辿り着いたので、今回はネタバレありで感想を。

ストーリーをなぞりつつ。

……はぁ…………(涙)

はじめに

くれぐれも言うが、これからプレイしようという気のある人は、絶対にネタバレを1ミリたりとも見るべきではない。

実際に、どんな些細な情報をも事前に入手せずに、まっさらな気持ちでプレイするのが一番楽しいと、俺は思っている。

そう、このゲームは起動時に表示される「警告文」の通り、期待&予想を裏切るし、それをひっくるめた「体験」そのものを楽しむものだからだ。

ストーリーそのものというより、ゲームの画面外まで含めた、プレイヤーの「体験」こそが、このゲームだからだ。

日本語にローカライズされる予定があるかどうかはわからないし、いろんな意味でそれは簡単ではないと思うが、英語が読めない人もそれを期待して待っている価値はあると思う。

2018/02/22追記:
開発者公認の日本語化プロジェクトが進行しており、パッチは既に利用可能な状態とのこと。詳しくは各自で調べてほしい。
やったねたえちゃん、日本語でプレイできるよ!

ネタバレを避けた紹介なら、このブログの前回の記事か、個人的にもっと秀逸だと思った以下のサイトを読んでほしい。

※YouTubeの公式PVがあるが、「関連動画」がサムネイルすらネタバレのオンパレードなので注意。

PVを見るなら公式サイトかSteam(配信ページ)で見たほうがいいな、ということで。

ということで、これから俺がプレイしたルートに沿って内容と感想を語っていく。

ただ、俺の英語力のせいで、もしかしたらストーリー等の誤解があるかもしれないが、そこはご勘弁。

あと、俺はまだ1周目(ここ重要)をクリアしたところなので、結局どうしてこうなったのかとか、詳しいことはまだわかっていない。

あくまで現時点での俺の理解と感想ってことで……

以下、衝撃的な内容を含むため、

閲覧注意。

 

よし、「子供と傷付きやすい人」はもう帰ったな?

 

あらすじ

※あくまで俺が選んだルートのあらすじ
※ちなみに俺は、最後の最後以外はナツキのルートを選び続けた

幼なじみのサヨリに誘われ、主人公は美少女ばかりの文芸部に入部する。

部では毎日家で書いてきた詩を見せあうことになり、主人公は特にナツキが気に入りそうな詩を書く。

しかし、ナツキに肩入れした主人公はユリの機嫌を損ねてしまう。

さらに、ナツキと仲良くなっていくうち、サヨリは異変を見せるようになるが、サヨリは主人公に何も話そうとしない。

そこでモニカから、サヨリは主人公のことで悩んでいると告げられ、ひとまずサヨリのことはモニカに任せることにする。

いよいよ学園祭を翌日に控えた日曜、主人公はナツキがする準備を手伝うことにしていたが、居ても立ってもいられず、先にサヨリの家を訪ねる。

そこでサヨリから心の苦しみと葛藤を聞かされた主人公は、サヨリのためなら何だってすると誓い、サヨリを抱きしめて安心させるが、ナツキとの約束の時間になり、やむなく帰宅する。

主人公の家にナツキがやってきて、翌日のためにカップケーキを仲良く作り、二人の雰囲気は最高潮に達する。

そしてナツキは帰り際、主人公にキスをしようとする……が、すんでのところで、二人の様子を見に来たサヨリに気付き、ナツキは慌てて言い繕い、去ってしまう。

サヨリは主人公とナツキが幸せになることを望んでいると言うが、同時に彼女自身も主人公のことを好きになりすぎたと言い、涙を流す。

主人公はサヨリの思いを受け止め、ついにサヨリに愛を告白する。

サヨリはその告白を喜び、二人は抱き合うが、主人公との関係が少し変わることに一握の不安も覗かせる。

翌日、学園祭の当日だというのに、サヨリは主人公と一緒に登校することなく、しかも電話にも出ない。

部室に到着すると、そこにはモニカだけがいて、しかもなぜか彼女は昨日のサヨリとの顛末までも訳知り顔だ。

そしてモニカがサヨリと作った今日のパンフレットの、サヨリのページの詩を見ると、そこには彼女らしからぬ、病的なまでに狂った言葉の羅列が。

主人公は慌ててサヨリの家に向かうが、彼女の部屋で目撃したものは……

首を吊り、虚ろな目をしたサヨリの変わり果てた姿だった。

END

ヒロインたち

画像を表示できないみたい。

左から、サヨリ、ナツキ、ユリ、モニカ。

サヨリ……幼なじみ。食いしん坊で、抜け目がないところもあるけど、いつもニコニコ、みんなの幸せを願っている、天使のような存在だった。
でも、たまには自分のこともちゃんと考えろよ――主人公の言葉は届かなかったのか、それとも届いたからこそあんなことに……
天使を「装っていた」のはいつからだったんだろう。
結局俺は、サヨリのことが一番好きだったんだな。

ナツキ……後輩。ツンデレだけど可愛いものが好き。マンガとお菓子作りも好き。
意地っ張りなのは背がちっちゃいことへの反骨精神か、それとも厳格な父親の影響か。
でもキミはまた、とてもいい子だった。
キミのような体型の子が好きなヤツも、世の中にはたくさんいるんだ。俺とか。ロリコンって言うな。
俺は最後までキミを選びたかったよ。
たくさんの楽しい時間を、ドキドキを、思い出をありがとう、なっちゃん……
そしてごめん。

ユリ……おとなしくて人見知りで引っ込み思案、本の世界が大好きで、ひとたびスイッチが入れば、「訳せるけど理解できない」状態になるほど饒舌だった。
そしてナツキも羨む?巨乳の持ち主。
でも残念ながら、俺はキミと過ごすルートを全く選ばなかったから、キミのことを実はよくわかってない。
それでキミに嫌われてしまったし、キミのことも傷つけたかもしれない。
いつかはキミのルートも……

モニカ……自分のために作った文芸部の部長。去年のクラスメートで、文武両道、才色兼備の高嶺の花。
主人公を見つめる思わせぶりな視線は、いつしか――
いや、俺は本当はまだ、真相を知らない。
知らないけど、俺はお前を許さない。
いつか決着を付けてやる。
……だから、ヤンデレ好きのあなた、どうか彼女をもらってやってください。

選択肢と感想と考察

以下、一日ごとにストーリーと選択肢をなぞりながら、感想や考察を書いていく。

長いよ。

1日目

さっそく幼なじみのサヨリと登校という、お約束なシーンで始まる。

サヨリはいつも寝坊しているようだが……

サヨリに誘われて文芸部を見に行くと、そこには「超絶美少女」ばかりが4人と、ナツキが作ったカップケーキが主人公を待っていた。

彼女たちの期待を裏切ることができるはずもなく、主人公は入部を決意する。

スイッチが入り、好きな文学についてマシンガンのごとく語るユリ。

それを遮ろうとしたことがきっかけで、自作のポエムの存在をモニカにバラされてしまうナツキ。

そして部の活動に「毎日詩を書いてきて、みんなで見せあうこと」が追加される。

部活が終わり、これまでいつも下校時刻が合わなかったサヨリと久しぶりに一緒に下校する主人公。

そして、最後に今日の詩を書くことに……

初日は、詩を書くところまでは選択肢もなく、ストーリーを進めていく。

もちろん女の子たちの詩の好みだけは把握しておくのが良い。

これから基本的には毎日、一日の終わりに詩を作ることになる。

詩の作り方は、提示される10個の英単語の中から一つを選ぶ、というのを20回繰り返すだけで、詩を作るというよりはアンケートのようなもの。

語群はランダムだが、全部合わせると300くらいはあるんじゃなかろうか。

おそらく、単語の並びや組み合わせに関係なく、3人(サヨリ、ナツキ、ユリ)の好みに合った単語をいかに選ぶかが求められる。
(モニカ向けの詩は作れないのか?)

そして最もポイントの高かった女の子と、翌日に「ドキドキなイベント」を楽しめる。

画面左側にいる3人のチビキャラのどれかが、気に入った単語が選ばれた時にぴょんぴょん跳ねる。かわいい。

そして俺は、可能な限りナツキの気に入りそうな詩を作った。

2日目

いきなり部室のシーンから。

ナツキはモニカに、マンガのコレクションを部室に隠していることをバラされる。

その後ナツキは収納部屋へ行くが、モニカがナツキのマンガコレクションをぐちゃぐちゃにしたとかで怒っている。

ナツキイベントその1。

ナツキのコレクションの中から1冊を勧められ、床に並んで座って読む。

二人の距離が近すぎて、あとでモニカにからかわれるくらい。

ナツキ可愛すぎる……

でもナツキは他人にバカにされるのが嫌で、これまで誰ともこの趣味を共有できなかったし、父親が厳格なせいで家にマンガを置くことすらできないようだ。

そして途中まで読んだマンガを、ナツキは貸してくれる。

「マンガは表紙で判断するべからず!」
「もし折り曲げたら、殺すから」

画像を表示できないみたい。

あとで慌てて12インチ横にスライドすることになる、可愛い子。この後の表情の変化にも注目。

さて、その後それぞれが書いてきた詩を見せあうことになるが、見せる順番を選ぶことができる。

順番によってどんな違いがあるのかはわからないが、お気に入りのキャラには最初に見せたほうがいい気がする。

ということで俺は、ナツキ→サヨリ→ユリ→モニカの順で見せることにした。

ナツキの詩は、いろんな生き物の特技を綴った、すごくシンプルで可愛らしい、まさにナツキらしい詩。

ただ、何か意味が込められているのかもしれないが、俺にはよくわからなかった。なにしろあまりにシンプルで。

意味深なのは最後の1行だが、残念ながら書いてある以上の意味は……

サヨリの詩は、朝の日差しについて綴った、これもサヨリらしい、のどかな詩だ。

特に最後の1行の「朝ごはん〜」などはサヨリらしいが、この詩は明確に主人公のことを書いたものだとわかる。

しかし最近主人公は朝サヨリを起こしに行っていないのだが……寂しかったのかな。そして下から3行目は伏線だったか。

ユリの詩は、街灯の下を離れられない幽霊を綴ったもので、ユリらしいミステリアスなものだ。

筆記体が美しいとモニカから評されているが、俺には読みにくかったっす。

この詩の真意は、自分に自信がないユリが、最後の拠り所を主人公に求めている……ということか?

モニカの詩は、小さくて深い穴を覗き込む、というテーマの詩だ。

これは極めて意味深と言わざるを得ない……穴の向こうにいる「彼」は間違いなく主人公のことだし。

つまり、高嶺の花と思われていたモニカは、実はずっと以前から主人公のことを見ていた、ということか?

ちなみに主人公の詩のことはみんなが褒めてくれるが、さっそくモニカには詩をナツキ向けに書いたことがバレている。

……こうして主人公は詩を見せ終わるが、ナツキとユリが詩を見せあっているときにトラブルが起こる。

二人は作風が合わず、お互いに自分の作風が優れていることを譲らず、果ては自分の詩のほうがより主人公に気に入られていると言いだす始末。

こうして二人のケンカに巻き込まれてしまった主人公は、これを仲裁することに。

ここで選択肢。ナツキかユリか、どちらに味方するか、それともサヨリに助けを求めるか。

俺は当然というか、ナツキの肩を持つことに。

もちろん、ユリへの配慮も忘れなかったが……

ここでユリへのルートは消えてしまっただろうか……

そしてこの日の部活も終わり、サヨリと一緒に下校するが、サヨリによるとナツキとユリがケンカしたことはこれまでなかったらしい。

この時点ではサヨリも主人公も、今後のみんなとのことを考える余裕があったみたいだが……

この日の詩も、ナツキに向けて書いたが、少なからずサヨリにもポイントが入ったような。

3日目

この日もいきなり部室から始まる。

モニカはこの日、珍しくなかなか部室に現れず、彼氏と過ごしているのだとみんなは噂していたが、なんでも「自習時間」にピアノを練習していて時間を忘れていたとか……なんか怪しいが。

自習時間(study hall)って……日本ではあまり聞かない文化だよな。

そして全員揃い、いつものように活動を……ナツキは主人公に返してもらったマンガをしまいに収納部屋へ。

しかしまたしてもモニカの手により、今度はナツキのマンガが、ナツキの手の届かない棚の最上段に移動されていた。

ナツキイベントその2。

ナツキは踏み台に登り、上の棚の物を下段に下ろし始める。

しかし踏み台の高さは十分でなく(というよりナツキの背が……)、主人公が代わりにやるのを申し出るが、背が低いのをバカにされていると感じたナツキは強情にも受け入れず、教卓のオフィスチェアを持ち込んで、作業を続けようとするが……

オフィスチェアは回転するし、キャスターが転がるしで不安定で、主人公は椅子を押さえるように頼まれるのだが……

……もうちょっとで、見えそう……

いや、頼まれた通りに椅子を押さえてただけなんですけどね、ちょうどたまたまそれに近い角度になりましてね……

それに気付いたナツキは慌ててしまい、ついに椅子から転倒して、たくさんの本とともに主人公めがけて降ってきた……

ちなみに、天地神明に誓って、俺は見ていない。

そして落としてしまった本の一つの、ページにくっきりと折り目が付いてしまい、本を大切にしていたナツキは泣いてしまう。

今日はついてないと言うナツキだが、他に何かあったのか、結局わからずじまいだった。

その後は本を(主人公の手で)元に戻したりしているうちに、ナツキはすっかり機嫌を直し、また一緒にマンガを読む。

……うーん、俺も泣きそうになった。

「ど、どこ見てるのよ?!」
「アンタは言ったことの責任を取りなさいよ」

※CGはゲーム内でご覧ください。ただ残念ながら見えません。

そして詩を見せあう時間に。

この日も前日と同じ順番で。

ナツキに詩を見せると、彼女はたいそう気に入ったが、それがナツキのために書いたものだと知ると、ナツキは顔を赤らめて部室を飛び出してしまう。

その様子を見たモニカは、主人公がナツキに何かひどいことを言ったのかと思って見に来るが、主人公の詩を読んで納得した様子。

なんだか意味深な発言を残し……

ナツキの詩は、クモのことが好きな少女を綴ったもので、前日よりはかなり長く、本人いわく前日のは肩慣らしだと。

うーん……少女とは誰のことか、クモとは何のことか……ナツキがクモを嫌いなのは間違いなさそうだが……

俺はもしかするとモニカのことか、と思ったんだけど、主人公のことだという意見もあるみたいで。

読解力は人並み以上にはあると思ってるんだけどな……

そして次に詩を誰に……と思ったら、なぜかモニカが選択肢にないじゃないか!

そりゃ、モニカは主人公の詩を今見たけど、こっちはモニカのを見てないんだが?

ともかく、サヨリに詩を見せると……

ちょっと俺の英語力不足で、このあたりの翻訳には自信がない。

サヨリはこの詩を気に入ったのか、気に入ってないのか……気に入ってないと言ったかと思えば、この詩を欲しいと言ったり……してない?

サヨリの詩は、頭の中の幸せなことを詰め込んだビン、というテーマだ。

ただ、中盤以降の翻訳がこれまたいまいち自信がない。

ただわかるのは、この詩が不気味さと不安を表現していて、サヨリの新たな一面を垣間見るものだった、ということだ。

そして、この詩は結末を強く示唆するものだった……「Happy thoughts」「私の頭の中で」

次にユリに詩を見せるが、ユリは詩を読むなり、昨日のこともあり、自分はすっかり嫌われてしまったと思い込んでしまう。

そして主人公が何も言えないまま、塞ぎ込んでしまった。

彼女の詩も見せずに……

結局、モニカの詩も見られないし、この日は詩を二つしか読んでない!

そして3日目はそれで終わらない。

なんと来週の月曜日に迫った学園祭で、文芸部は出し物として詩の朗読会をするというのだ。

※逆算するとこの日は木曜日。つまり初日は火曜日。

嫌がっていたナツキとユリを説き伏せて、さっそくみんなの前で朗読の練習をするが、なんだかんだ言って4人とも上手で、一方の主人公は下手くそ。まあ文章からしてアレなんで。

そしてこの日の部活も終わり、サヨリと帰ろうとすると……ナツキがちょっかいを出してくる。

一緒に帰ろうと言ってくるのかと思ったら、そうではなくてからかってきただけだったが……

帰宅中、サヨリが尋ねてくる、もしナツキが一緒に帰ろうと言ってきたら、主人公はどうするのか、と。

ここで再び選択肢。サヨリか、ナツキか。

俺はちょっと悩んだが、ナツキを選ぶ。

いや、ナツキと帰らないと、何をされるかわからないから、とうまく言い訳できたと思ったが……

その日の詩は、これまでの経験を活かし、ほぼ完璧にナツキ向けに仕上げた。

長い一日だった……

4日目

またしてもモニカが最後に部室にやってくる。またピアノかな。

ナツキがモニカの名前いじり、というか、けっこう苦しいジョークを飛ばす。英語としても日本語としても。

「そんなジョーク、翻訳したら何の意味もないんだから!」

モニカカワイイデス

とはいえ、ナツキがこんな無理矢理なギャグを言うのには理由があって……

さて、こんなつまらないことで盛り上がっている中、サヨリはなぜか部室の隅っこで一人黙って俯いている。

なぜか……昨日のアレに決まってるじゃないか! 言い訳しても意味なかったんだ!

主人公はサヨリのもとに行くが、話しかけても「何でもない、大丈夫」としか言わない。

モニカに相談すると、サヨリは主人公のことで悩んでいるため、主人公には話してくれないんだと。

サヨリは主人公が文芸部に入部して以来、すごく幸せそうで、まるで心に新たに光が灯ったようだと。

そんなことはない! サヨリは昔から、いつも日差しのような明るさでいっぱいだったんだ!

主人公の、サヨリへの思いがほとばしる。俺の涙もほとばしる。

……いや、ついに泣いたわ。こんなの。

なんだ、俺、こんなにサヨリのこと心配してたのかよ……

ナツキとのハッピーエンドを目指して、これまでひたすら邁進したのに。

口ではあんなことを言ってたサヨリが、ここで足枷になるとは。

さらにモニカは、主人公が明るいサヨリしか見たことがないのは、それは主人公といるときのサヨリだからだと言う。

なんだ、そんな単純なことだったのかよ……

そしてモニカがサヨリと話しに行ってくれた。

これまで俺はモニカにあまりいい印象を抱いていなかったが、この時ばかりはモニカを全面的に信頼したさ。

そして、それはたぶん間違いだった。いや、選択肢はなかったし仕方ないが。

モニカがサヨリに何を話しているのか聞こえないし、主人公は座ってぼーっとしていると、ナツキが話しかけてくる。

ナツキイベントその3。

ナツキも主人公の相談に乗ってくれる。

その相談は、最終的には何の役にも立たなかったけど、あのナツキがこんなにも主人公とサヨリのことを心配してくれて……

とにかく、その時の主人公と俺を安心させてくれた。

やっぱいい子だわ……

ただ、イベントのはずなのに、特にイベントらしいことは起こらず……CGもなく、残念。

そしてしばらくナツキとマンガを読んだ後、詩を見せあう時間に。

この日もいつもの順で。

ナツキはもはや熱烈に主人公の詩を読みたがっている。

しかし主人公に、自分の詩に自信がないのかと問われると……

「私の文章は明らかに一番よ……違う?」
「お願い、ただ私の詩が好きだって言ってよ。私が一番だって言ってよ」

これは落ちたな。

ただ、ナツキはどんな詩を書いても「あなたらしくて可愛い」と言われるだけなのが悔しいのだという。

そうだな、サヨリもそう言ってたし、でもあいつに悪気はないんだけど。

そしてナツキの詩は……

「あなたのおかげでできないことができるようになったり、あなたのせいでできることができなくなったりする」というのがテーマ……

2018/02/22追記:
抹消部は誤訳であり、そのような内容はなかった。

完全に主人公に向けたラブレターじゃないですか!!!

ナツキは何か言い訳をしてたような気もするけど、詩を返そうとすると、持ち帰るように言ってくるし。

そりゃあんな詩、他の人には見せられないわな。可愛すぎて泣ける。

次にサヨリに詩を見せたが……

サヨリは読むなり、これがナツキのために書いたものだと見抜き、かつて彼女が願った通りに主人公が友達を作っていることが嬉しいと言いながら、具合が悪いからと早退してしまった。鼻歌交じりに。

もうだめだ……俺は挫けそうになった。

そしてユリに詩を見せようとしたが、もはやユリは主人公に近付きたくもないオーラを放っていて、詩を見せることも、見せてもらうこともできなかった。

最後にモニカ。

モニカは主人公がまたナツキのやり方を続けているのを見て、主人公はナツキのことが好きなのだと見抜く。いや、全くその通りでございますが。

しかしモニカはナツキについて警告をする。ついに本性を現したな!?

ナツキは精神的に幼く、危ういところがあると、そしてそのせいで良くないことが起こって、部にまで波及することが心配だと。

余計なお世話だわ。てかお前よりましだわ!!!

ともかくモニカの詩を読む。詩のテーマは「すべてを知る女」。

なんすかそれ、アンタのことすか。むしろ怖くないわ、それならサヨリに何て言ったかさっさと教えろし。

そして主人公は気付く、部のみんなは楽しいことよりも、辛いことを詩に書く傾向にあると。

詩を見せ終わるが、サヨリがいないと部の雰囲気が少しぎこちなくなることにみんなが気付く。

次に学祭に向けて週末にする準備を確認する。

ナツキは訪問者に振る舞うカップケーキ作り、モニカとサヨリは配布するパンフレット作り、ユリは部室の装飾。

そしてすることがない主人公は、誰かを手伝うことになったが、すると三人は、主人公に自分を手伝ってもらおうとやたらアピールしてくる。

ここで選択肢。

ナツキかユリかモニカを手伝うか、サヨリと一緒にいるか。

俺はサヨリが気になりつつも初志を貫徹し、ナツキを選択。

なにげに、モニカを選ぶことができた最初の選択肢だった気がするが。

主人公に選ばれず、ますます落ち込んでしまったユリを、ナツキが元気づけようとする。

いや、勝者の余裕と見られなくもないけど、ナツキは今いないサヨリに代わって、部の雰囲気を何とか良くしようとしているのだ。

さっきのギャグもそうだ。

なんていい子なんだ……

さて、部活はお開きになり、主人公が帰ろうとすると、ナツキに呼び止められる。

ついにナツキと一緒に下校……と思ったら、週末のことを連絡するために携帯の電話番号を交換することに。

……いや、むしろ……素晴らしいじゃないか!!!!

しかも、主人公が手伝いに行くのかと思いきや、男などを連れ込もうものならパパに殺されてしまうから、ナツキが主人公の家に来るんだと……なるほどな。

そして今度こそ主人公は帰ろうとするが、ナツキがまた一瞬呼び止めて……しかし何も言ってくれなかった。

サヨリにあんな思いをさせたのに、ナツキと一緒に帰ることができなかった……

しかし、週末にナツキがうちに来る!? 私服で!? もしかしたらエプロン姿が!?

主人公も俺も、不安と期待が天井を突き抜けんばかりだった。

この日はさすがに詩を書くことはなかった。

4日目は文量は少なかったが、内容の濃い一日だった。

5日目

この日は土曜日ではなく日曜日、つまり本作では初めて日付が飛んだことになる。

この日はナツキが家にやってくる。

電話番号を交換して以来、二人は確認事項をショートメールで送り合ったが、いつしかそれは雑談へと変わっていた。

にしてもショートメールって……一昔前なら胸キュンエピソードだけど、今時ショートメールは……

※原文では text という動詞……これは決して電子メールでの文字の送受信のことではなく、SMSを指す。

電話するものだと思ったのに、これならメアド交換で良かったのでは?

いや、開発者(アメリカ)の文化ではショートメールが一般的なのかもしれないけど……ショートメールって少なくとも日本では料金が高いしな。

今の日本ならLINEとかが妥当だけど、さすがにちょっと雰囲気が出ないか……

ともかく、ナツキが送ってくるメッセージは絵文字や可愛らしい言葉遣いがいっぱいで、学校での彼女とはまるで違った。

しかし、主人公はサヨリのことも気がかりだった、なにしろあの時以来サヨリの様子は一切わかっていない。

そこで、主人公はナツキが来る前にサヨリの家を訪れることにした。

かつてはよく家族のように出入りしていたサヨリの家、久しぶりに入ったサヨリの部屋はあの時と変わっていない。

そこでサヨリは、ようやく自分が悩んでいることを打ち明け始める。

サヨリの望みは、ただすべてが今まで通りであり続けることだった。

しかしサヨリはわがままだった……主人公のためを思って文芸部に誘い、しかし主人公が他の部員と親密になっていくのを見て勝手に傷付き、そして主人公に心配をかけ傷つけた――

主人公はその言葉を遮るように、サヨリを抱きしめる。

他の部員と仲良くなっても、それはおまけで、文芸部でサヨリと毎日を過ごせて嬉しかった。

最初は主人公が抱きしめるのを嫌がっていたサヨリも、ついに主人公にその腕を回す。

「私、わかんない……何もわかんないよ……」
「でも……あなたのハグは暖かい……そしてそれがとても怖くもあるの」

そして明日の学祭は、サヨリと過ごすことを約束する。

そう、俺も……この間涙が止まらなかった俺は、もう……サヨリのためなら、ナツキと学祭を回ったりできなくても構わないと、本当にそう思った。

主人公はもうサヨリを置いて家に帰りたくなかったが、準備はしっかりするようにとサヨリに言われ、サヨリも手伝いに来るかとの誘いは断り、二人は別れた。

そして主人公が息つく間もなく、ナツキがやってきた。

ナツキイベントその4。

可愛らしい私服に身を包んだナツキは、制服の時とは全く違っていて、主人公と俺をドギマギさせた。

その後、キャッキャウフフとカップケーキ作り……

ナツキはやっぱり、自分の胸が小さいことを気にしていたんだね。

でも、俺にとってはそれがいいんだ!

いや、それだけの理由で俺はナツキを選んだわけじゃないよ。

それも理由の一つではあるけど……

なんて考えてたら、ナツキに「気持ち悪い」と言われてしまった。

それと、ナツキさん、エプロンがないとはどういうことですか?

俺が本作に一つだけ文句を言うなら、女の子がお菓子を作るときはエプロンを着るのがお約束だろう!!! ということだ。

……まあいいや。可愛いし。

うっかりナツキの頬に付けてしまったアイシングを、ナツキが仕返しに主人公の顔に付けようとしてきたので、主人公はナツキの両腕を捕まえることに。

ここで3回目のCG。超可愛いのでぜひゲーム内でご覧ください。上記のリンク先に載ってるけどな、くそっ。

ああ〜ドキドキするんじゃぁ〜(軽く自重した表現)

しかもあろうことか、主人公はナツキの指からアイシングを舐め取ってしまった!

ナツキは怒るかと思いきや、ただ驚くばかりで、こう言った。

「そんなこと、女の子に対してするべきじゃないわ……本当にその子のことが好きでもなきゃ……」

いや、俺は……

続きを言おうとした時、どこからか火災報知機が鳴りだし、予熱中のオーブンに入れっぱなしだった汚れたトレーが焦げているだけだったが、惜しいところで告白のチャンスを逃してしまった。

なんでナツキは……そうフラグを折ってくるんだ……いや、トレーが入れっぱなしだったのは主人公のせいでもあるけど……

やがてカップケーキが完成し、一つくらい今食べてもいいだろ……しかしナツキは食べられないと言う。

なんでも、この日はナツキの父親が夕食を作ってくれるため、お腹を空けておかなければならず、しかも早く帰らないといけないと言う。

……またお前か親父ーー!!!!!!

……いや、お義父さんだな、お義父さんがそうおっしゃるなら仕方ないね。

いつか絶対に、顔を合わせて話し合わなければならない相手だ……首を洗って待ってろお義父さん!

本当はマンガを読んだりしたかったのに、こんな機会そうそうないのに、と言うナツキを主人公は家の前まで見送るが、帰ろうとするナツキを呼び止める。

学祭の準備がなくたって、家で読めないマンガが読みたくなったら、それともどこかに出かけたくなったら、ナツキはいつでもうちに来ていいんだ!

俺はお前ともっと一緒に過ごしたいんだ!

――よく言った、主人公!

するとナツキがデレる。

「できることなら……本当はもっとここにいたかった」
「私も同じように感じてた、だから……」

そして、ナツキは主人公のすぐ目の前に立って主人公を見上げると、主人公のシャツを握りしめ、そして主人公の視界は徐々にナツキの赤く染まった顔に覆われ……その柔らかな吐息が顔に触れ……

――サヨリ!?

ナツキは急に飛び退いた。その視線の先に、サヨリがいた。

……なんでまた……ナツキのフラグはことごとく折られるんだ……もう1分でも、いや30秒でも遅ければ……!

ナツキは逆に、もう少し早ければ、とか適当に言い繕って、帰ってしまう。

サヨリは主人公とナツキのことが気になって、来てしまったのだ、二人が仲良くなることは、サヨリが望んだことでもあるから。

……そう言いながら、サヨリは涙を流す。

「心がすごく痛いよ……」
「いっそ私が消えちゃったほうがずっとましだよ!」

そんなこと、絶対に言ってはいけない!

「私が怖いのは……あなたが私のことを好きな以上に、私があなたのこと好きかもしれないってことだよ……」
「あなたのことが好きすぎて、死にたいよ!」

もうやめてくれ!!!

もうだめだ。もうだめだ。俺はもうだめだ。俺はもう耐えられない。サヨリをこれ以上悲しませることはできない。

そして選択肢。これが最後の選択肢。

サヨリに伝えるのは……

  • 「愛してるよ」
  • 「お前はずっと俺の一番の親友だ」

俺にはどちらが正しいのか、わからなかった。悲しすぎて、考える余裕もあまりなかった。

悩んで悩んで、俺は上を選んだ。

そして二人は抱き合う。

……これはナツキを裏切ることかもしれない。

その場しのぎの嘘で、サヨリを悲しませるかもしれない。

でも俺は……明日の学祭を、サヨリと楽しむ、ただそれだけのために。

明日になれば、また何かが起こる。

たとえナツキとの修羅場が待っていても、まだやり直せるチャンスはある。

いや、ナツキに嫌われたって構わない……サヨリといられるなら……

結局、俺が一番好きだったのは、サヨリじゃなかったのか。

ナツキは可愛いし、この数日間いろんなことを経験した。

いろんなシチュエーションでドキドキした。

でも、俺のサヨリに対する思いは、そんな数日間の思い出より、ずっと強かったんだ……

プレイヤーである俺にとっては、サヨリもナツキも同じ付き合いなのにね。感情移入しすぎちゃったね。

だから、たとえこれがたった1日の時間稼ぎにしかならなくても、俺は明日をサヨリと過ごすためだけに……!

安易な告白に逃げた。

サヨリと抱き合うCGが表示される。

もう、この瞬間を以て、ナツキルートではなくなった。

初志貫徹を誓った俺は、最後の最後にナツキを選べなかった。

俺は、負けた。

サヨリは告白を喜んでくれた。

主「二度と俺から手を離すなよ」
サ「永遠にあなたと一緒にいたいよ」

しかし、サヨリの心にかかった雨雲は、全く消えなかった。

「もし私がすごく、すごく悲しくなっても……これが私にとって一番……なんだよね?」

それはどういうことなんだ、サヨリ!

「でも、だから私はあなたを信じたいの」
「あなたは私にとって一番のことを知ってるから……」

そしてその結末は、最後の選択肢を選んだ瞬間にゲームディレクトリに生成された、とある画像ファイルが暗示していた。

――Happy thoughts.(名案)

6日目

いよいよ学祭の日。

この日に限ってはサヨリと一緒に登校するものだと思っていた主人公だったが、サヨリは電話にも出ないので、主人公は一人で登校し、部室へ。

そこにはモニカだけがいて、モニカと言葉を交わすうち、主人公にはだんだん嫌な予感が芽生える。

しかもモニカは、主人公とサヨリの間で昨日「やり取り」があったことまで知っている。

「私はたぶん、あなたが考えているよりずっと多くのことを知っているわ」

???

そしてモニカに言われるまま、昨日までモニカとサヨリが作っていた、出し物の詩のパンフレットを見るが、サヨリのページの詩は……

『%』

……なる題名の、見るもおぞましい狂気の単語の羅列だった。

「でも詩は実は決して終わらない。
 ただ動くのをやめるだけ。」

この2行で終わる詩を見た主人公は、すぐさま部室を飛び出し、サヨリの家へ急いだ。

……サヨリが本当に求めていたのは、すべてが今まで通りであること。

一緒に登校するだけで、サヨリを大いに喜ばせることができたのに。

サヨリの家に着いた主人公は、サヨリの部屋の前まで行き、そっと扉を開けるが……

「……サヨ――」

――!!!

主人公の目に飛び込んできたのは……

首を吊った……もう動かない……サヨリの……虚ろな目……

……ありえない。

サヨリがこんなことするはずない。

数日前まで、何もかもが普通だった。

どうして……

俺は何か間違ったのか?

告白か?

そうか、告白か。

サヨリはあんなもの、全く求めていなかった。

あの告白が、サヨリをさらに苦しめた。

サヨリとこれまで通り友達を続けていれば、この事態を阻止することができたんだ。

文芸部が何だ、学祭が何だ、俺は一番の親友を失った。

これは、リセットしてやり直せるようなゲームではない。

俺には一度しかチャンスがなく、そして俺には注意が足りなかった。

サヨリはもう決して取り戻せない。決して。決して。決して。決して。決して……

END

 

……いやいや、ENDじゃねえよ。

そんなことあるかよ。

学祭は?

サヨリやナツキと、学祭を回るのは?

てか、ナツキはどこに行った? ユリは?

どうなってんだ?

昨日あんなに悩んで、今日の学祭のことだけを考えて、たとえその場しのぎでも、1日限りのその場しのぎでも、そう思ってこの選択をしたのに……

たったの1日ももたなかったのかよ! たったの1日も!

サヨリ、昨日言っただろ?

俺のこと信じてるって言ってくれただろ?

今日一緒に学祭を楽しむって約束しただろ?

ありえない。ありえないわ、サヨリ。ありえない。

たとえ俺が間違っていたとしても、ありえない。

そもそも、本当に間違っていたのか?

……続きは、次のセクションで。

ところで、サヨリが首を吊っている衝撃のシーンに、こんな表示があるのだが、これはいったい……?

「例外が発生。
 ファイル "game/script-ch5.rpy", 行 307」

インストールディレクトリ以下にそんなファイルはない。

「ch5」ってのは、エンディング番号だったりするのだろうか。

後悔

ゲームは二重の意味で悲劇的な結末に終わってしまった。

つまり、最後にナツキを選べなかったことと、そうまでしたのにサヨリが死んでしまったこと。

この結末は回避できたのか?

ナツキと結ばれることはできたのか?

俺はまだやり直して確かめたわけではないが、残念ながら本作ではどちらも望めないだろう。

このあたりの話は、俺にとってはまた別のネタバレになるので詳しくは触れないが……

でも、いずれにせよ最後の選択肢は、俺にとって悔いの残る選択となった。

俺としては、よく考えて選んだつもりだったのに……

でも、当時の心理状態から考えて、冷静に判断できなかったとはいえるだろう。

今ならわかる。

まず、サヨリに告白する必要があったか。

サヨリは主人公のことを愛していたし、告白すればとりあえず喜んでくれただろう。

しかし、「明日の学祭が俺たちの初デートになる」と言った主人公に対し、サヨリが「そういうことは考えたくない」と言ったように、サヨリにとって最も重要だったのは現状維持であり、告白は最善の手ではなかったのは間違いない。

逆にサヨリに「友達のままでいること」を宣告した場合……サヨリは喜んでくれただろうか。

それはつまり、ナツキと付き合うことを宣言することになるが、サヨリはもうそんなことには気付いていた。

そしてそれはサヨリが望んだことでもあるのだが……サヨリがそれで本当に幸せだったかどうかはまた別だ。

これはかなり微妙なところだが……

少なくとも、俺にとっては自分に素直な選択をできて、後悔が少なかったとはいえる。

どのみち、ゲーム的には、あの結末を防げたような気はしないし……

これで終わりと思ったか!?

さて、ENDを迎えたわけだが、タイトル画面に戻ると、サヨリの絵がおかしくなっている。

「New Game」が文字化けしている。

これは突入するしかない!

新たにゲームを始めると、冒頭――サヨリの「おーーーーい!」という台詞で始まる――から何かがおかしい。

文章自体は、最初にプレイしたときと何も変わっていない。

しかし、「サヨリ」という名前とサヨリの発言は、すべて文字化けしていて読めない。

そしてサヨリの立ち絵が現れるシーンに差し掛かる――

!?

突然、ゲーム全体がひどくバグり、しばらくして落ち着いたかと思えば……

主人公のモノローグは、見覚えのないものに。

主人公は一人で登校しており、これまでもずっとそうだったと言っている。

部活にでも入って、女の子と出会いたい……

そう、サヨリなんて……最初からいなかったように。

それから放課後になり、サヨリではなくモニカと出会い、文芸部に誘われる。

一部が同じで、一部が違う……

文芸部で、モニカ、ナツキ、ユリの三人との、新たな物語が始まる。

時々画面にノイズを交えながら……

ここからは、絶賛プレイ中なので、またいつか書きたいと思う。

そういえば、2周目に入ってから、これまでのセーブが全部消えてるんだが。

バックアップから復元しても、もはやロードできないんだが。

……なるほど、そういうことか。

「これは、リセットしてやり直せるようなゲームではない」
「俺には一度しかチャンスがなく、そして俺には注意が足りなかった」

そう、これはゲームだ、だけど、リセットしてやり直すことは決してできないんだ。

セーブのあるゲームなのに、ロードが許されない、最初から始めることすらできない。

※初回起動情報を削除することで、ゲームを完全にリセットする方法が説明書に書かれている。

セーブデータ、ファイルについて

本作は、一部のウイルス対策ソフトに誤検出されてしまう仕組み、すなわちファイルを生成、削除する仕組みがあり、インストールディレクトリを確認しながらプレイすると、また違った発見がある。

2周目突入時にセーブデータが抹消されてしまうのもその一つだ。

また、1周目の最後の選択肢を選択した時、インストールディレクトリに生成された怪しげな画像ファイルも。

また、2周目に到達する頃には、キャラデータフォルダの中にあったサヨリのファイルが抹消されており、2周目にサヨリがいないこと、そしてそれが不可逆的な事実であることを改めて認識させる。

なお、そのキャラデータ自体は飾りというか、ゲームの動作そのものに必須ではなく、あくまで存在だけをチェックしている様子。

とまぁ、こんなふうにいろいろあるわけだ。

以下、俺がいろいろ試して発見した事実と裏技。

サヨリのキャラデータのファイルが抹消されるのは、1周目の最後にサヨリの部屋に入った瞬間。

セーブデータのファイルが抹消されるのは、2周目の「New Game」(ただし文字化け)を選択した瞬間と、その後しばらくして画面がバグり、「正式に」2周目が始まった瞬間。

サヨリのキャラデータのファイルが抹消されてから、2周目を始めるまでの間に、それ以前のセーブデータをロードしようとすると、「****(サヨリのキャラデータのファイル)が存在しない」というダイアログが表示され(仮に復元していて存在しても)、次いで「新規ゲームを開始する」とのダイアログが表示され、「OK」を押すと1周目が完全に終わる前であっても強制的に2周目の「New Game」が開始される(もちろんセーブデータは抹消される)ので注意。

1周目の状態で2周目のセーブデータをロードしたり、逆に2周目の状態で1周目のセーブデータを(ファイルを復元して)ロードしようとしても、ロードされず、チートをしているのかと怒られ、その後再起動される。
ちなみに履歴は見られるし、この場所でセーブもできるけど、そのセーブは同じくロードできない。ただし、これを悪用?して、この短いシーンをいくらでも履歴上に積み上げられるけど、意味はない。

また、1周目の正常な状態で、かつモニカのキャラデータのファイルを手動で消した状態で「New Game」を開始すると、最初からサヨリが現れ、やめるように説得され、その後直ちにゲームが強制終了する。

そのまま再起動すると、起動時のいつもの表示すらなく、いきなり真っ暗な画面に「END」と表示され、続いて……閲覧注意!……だけど勇気があれば一度は見ておいてもいいかもしれない……

やりたい人向けの注意(クリックで展開)
先ほどの強制終了のタイミングでは、キャラデータのファイルが全員分抹消されるのだが、実は判定はサヨリのファイルだけで行なっているようで、モニカ・ナツキ・ユリのファイルは存在しなくても起動には支障なく(さらにそれらのファイルは起動時・New Game開始時・ロード時などに再生成される;New Game開始時のモニカ以外)、初期状態でもサヨリのファイルさえ消しておけばいきなり真っ暗な画面の「END」を見られる。
これって、最短エンディングのTASやRTAをやれば、記録は0Fじゃね?
この状態では操作は一切不能で、また上記や下記の例のように自動的に修復・復帰されることもない。
つまり、万一これを自力で直せなくなった場合、ゲームのデータを完全にリセットするしかなくなるので、こちらも注意。
キャラデータはファイル名を変えるだけでもいいことを覚えておこう。
ちなみに、この画面を見ながら10分ほど待つと……

あと、某所の情報によると、サヨリが「最初に」死ぬ前に、セーブ&ロードでサヨリ、ナツキ、ユリの3人のすべてのシーン(イベント?)を見ていると、何か変化があるらしいので、興味がある人は確認してみよう。

翻訳について

さて、俺がこんなにプレイに時間がかかったのは、ただ読んでいただけでなく、翻訳していたからだ。

ただ、前回の記事でも書いたが、俺はそれほど英語が得意ではない。

どこかに公開しようかなーとか思っていたが、出来上がったものはなかなか見苦しい出来栄えとなった。

あえて意訳を控え、直訳風にしていたのだが、表現が回りくどいというか、読みにくいのなんの。

まあ、意訳するのはそれはそれで大変だし、むしろそっちこそが大変だし、解釈を挟む余地があるし……

それに、うまく訳せなかった場所も少なくない。

あと、プレイしただけで十分(精神的に)疲れたが、翻訳にも疲れたので、翻訳は俺がプレイしたところだけ、しかも1周目だけでやめるかな。

というわけで、もう一度通しでチェックして、誤訳をできるだけ直したら公開してもいいけど、とりあえず最後までプレイしたいから、その後で……

公開はこのブログかメインサイトでするけど、どちらにせよブログで報告するから、読みたい人はあまり期待しないで待ってほしい。

公式の日本語版は作られるだろうか。

本作は選択肢によるルート分岐が多く、したがってトータルの文章量も多く、有志による翻訳はかなり苦労することになるだろう。

しかも、詩などはうまく訳すことはほぼ不可能だろう。

誰もが英語をスラスラと読めたら、どんなにいいか……俺も含めてね。

本作のプレイと翻訳を通して、俺の英語力は今までよりかなり高まったと思うけどね。

頭が英語でいっぱいになりすぎて、時々ツイートを英語でしてしまうくらい……

お布施について

前回の記事で紹介し忘れてしまった、こんなに大事なことを。

本作は完全無料なのだが、ファン向けの特典データを詰め込んだ「ファンパック」がDLCとしてSteamにて10ドルで販売されている。

内容は「ボーナストラックを含むサウンドトラック」「PCおよびモバイル向けの高解像度の壁紙」「コンセプトアートブック」。

そして、開発者のチームが現在進めている次なるプロジェクトに対する支援になる、とのこと。

また、公式サイトにあるストアでは、上記のファンパックのデジタル販売のほか、ポスターやキーチェーンも取り扱っている。

本稿の執筆時点では米国限定での発送となっているそうだが、日本でも入手可能となればぜひ入手したいところ。

ちなみにキーチェーンは1個9ドル、4個セットは30ドル……意外と安いけど、日本からじゃ送料のほうが圧倒的にかかりそうだな……

なお、ストアにはちょっと閲覧注意な画像もあるので、特にこれからプレイする人は見に行かないほうがいい。

今後の予定

とにかく、まずは2周目を終わらせる。

……いや、それで終わらなかったら終わるまでやる。知ってて言ってるよね?

そして全体の感想記事でも書く。

その後、1周目に戻って翻訳のチェックと、あと選択肢のリベンジ。

さらに別のルートもやりたいけど、いつになるかは……

なにしろ、そろそろ年末に向けていろいろやりたいこともあるし……

もうすぐ艦これの秋イベントが始まるし……

12月には『ゼノブレ2』が発売するし……

1日が72時間くらいないと足りない……

その他

Just Natsuki

まとめ

本作のここまでの感想をまとめると、

I'm empty in my heart, but I'm full in my head.

本作はホラーとも呼ばれるが、俺個人的にはホラーはべつに怖くも何ともない。

ただ、心はこれでもかとえぐられた。

終盤など、プレイすればするほど悲しくなり、何も楽しくなかった。

しかし、ホラーが怖いからといって誰も見たがらないわけではないように……

何かに引きずられるように、俺はひたすらプレイし続けた。

プレイしていない時も、暇さえあれば本作のことを考えていた。

ナツキとのシーンはひたすら甘酸っぱく、サヨリとのシーンはひたすら切なく。

いっぱいドキドキして、いっぱい泣いて、後悔に打ちひしがれて。

まさに、「心は空っぽで、頭はいっぱい」。

そんなゲームだった。

本作は間違いなく、多くの人の胸に強烈なインパクトでもって永く記憶されるだろう。

ただ、後世の人が本作を前情報なく知り、プレイして予想を裏切られる……そんなことはあまり望めないのがあまりに残念だ。

なぜなら、本作は「そういうゲーム」として人々に記憶され、記録されて伝わるのだから……

前回の記事でも書いたが、『School Days』が「Nice boat.」で有名になっているように。
ごめんね、あんまりたくさんの例は出せないんだ。

だから、本作を公開当初に偶然知ることができて、ネタバレを最小限にプレイできたことを幸運に思う。本当に。

できれば、今後もネタバレを隠したまま本作が多くの人に伝わることを願う。

そして、できれば日本語版がリリースされ、より多くの人にこの感動を分かち合えたらと思う。

P.S.

公式サイトで翻訳のためのツールが公開される予定らしいよ。

あと、二次創作のガイドラインが出てるよ。

P.S. その2

2周目の感想も書いたよ。こっちよりさらに長いけど。