やりたいものは実にたくさんあるけど、ようやく『Doki Doki Literature Club!』の続き(2周目)に手を付けることができた。

しかし、世の中ではすでに、全文日本語訳付きのプレイ動画シリーズが上がっていたり、開発者公認の日本語化パッチのプロジェクトが進行していたり、もはや完全に置いて行かれた感もある。

俺がプレイを始めたのは2017年10月中頃と本作公開のかなり初期で、同月20日に紹介記事を公開し、翌月の1周目の感想記事は検索で上位に表示され、日本におけるDDLCの啓発と普及に一役買った第一人者という自負はあるが、もうこのブログを読んで始めた人がすでにエンドロールまで到達しているのだろう。

そう、すべては単に遅すぎたのだ……

というわけで、遅ればせながら2周目を進めている。

翻訳も、日本語化パッチが既に使用可能状態になった今では俺の役目はすでになくなっているが、せっかくなので継続している。

今回は、1周目を終えてから発見した新事実を基に以前の記事を訂正し、また今さらながら2周目のプレイ状況を書いていく。ネタバレあり

それと、こちらも去年から密かに(?)進めていたファンアート、イラストも発表しようと思う。

以前の記事の補足と訂正

1周目・4日目・ナツキの詩のテーマ

「あなたのおかげでできないことができるようになったり、あなたのせいでできることができなくなったりする」というのがテーマ……

【ネタバレ】Doki Doki Literature Club! 1周クリアした感想【ナツキルート】 より

「できることができなくなる」ってのは、原文の "My words are a little less empty" を「もう少し空虚になる」と訳したからなんだけど、“先生”(英語ネイティブのフォロワーさん)に確認したところ、「もう少し空虚でなくなる=意味をもつ」という意味らしい。

つまり、あの詩に「できることができなくなる」という内容はない。

……この程度の誤訳は他にも大量にやらかしてるんだろうけど、ナツキの詩なのでずっと気になっていたことをここで訂正したい。

あちらの記事も訂正しておいた。

1周目・5日目・サヨリが苦しんでいた理由

サヨリが悩み苦しんでいた理由について、サヨリは "bad depression" と言ったのだが、俺はこれを「ひどく憂鬱だった」と訳したために、とくに重要な情報と捉えずに、以前の記事でも取り上げなかった。

ところが、某所の翻訳では「重いうつ病」となっており、検討した結果、なぜか憂鬱であるというより、うつ病であると解釈するほうがストーリーの整合性もあることがわかった。

ぶっちゃけ、これは本作に対する理解に大きく関わる要素であり、プレイ中にそう解釈できなかったことが強く悔やまれる。

サヨリのやつ、うつ病であることをずっと隠してたんだな……

そしてみんな、それぞれ何かを隠している。それが本作の核心。

1周目・ルートと分岐について

本作の分岐要素といえば、プレイ中に現れる通常の選択肢と、詩の作り方だ。

しかし、これらによるルート分岐は、少なくとも1周目においては、どれも一時的なものであるらしい。

つまり、それらの分岐による各ルートはすぐに収束し、その後の分岐やルートに影響を与えない。

すなわち、各ヒロインのルートなどというものは存在せず、すべてその場限りのルートであるわけだ。

しかも、1周目の結末はどの選択肢を選び、どのルートを進んでも、何も変わらないというではないか!

あんなに悩み、後悔し、泣き、苦しんだのもすべて無駄だったわけだ。

それもこのゲームならでは、ということだろう。

ある意味でそれは救いかもしれない。

俺の選択のせいじゃないんだ。

本作はけっこう分岐が多くて複雑な構造なのだと思っていたが、実は一本道だったわけで、それなら翻訳も幾分やりやすいといえる。

2周目プレイの状況

さて、俺もようやく2周目に突入したわけだが……

セーブデータは全部消えてるし、1周目には戻れないし、タイトル画面からしておかしいし……

本文に入っても、初っ端からおかしいし。サヨリいないし。

そしてサヨリのポジションにちゃっかりモニカが座ってるし。許すまじ。

ムードメーカーがいなくなったせいで、部の雰囲気もぎくしゃくだし。

時々画面にノイズのようなものが走って乱れるし。

1日目が終わる頃から、「攻撃」は激しさを増す。

攻撃――俺はそう呼んでいる、これはプレイヤーへの精神攻撃だ。

謎のダイアログ、謎の「特別な詩」――詩でも何でもない!

そして詩作だが、詩の単語を選ぶ時、条件は不明ながら、サヨリのような画像のカットイン(超怖い)が入ることがある。

2日目に入ると、もはや攻撃はADVとしての限度を知らず、まさにやりたい放題となる。

画面が乱れる? BGMが乱れる? そんなの当たり前。

背景に変なモノが映り込んでるし、台詞がたまに黒いし。

黒い(物理)

ナツキ(2周目ももちろんナツキを攻略していく)とのイベントは内容を半分くらい割愛され、その後1周目にはない新展開!? と思いきや……

お い や め ろ 。

やっていいことと悪いことが……くそ、モニカめ!

そして、ナツキとユリの口論のシーンに差し掛かる。

ねぇ、察してよ、俺は英語を翻訳しながらプレイしてるんだから、スラスラと読めないんだよ。

あの気の狂いそうなBGMを1時間も聞き続けながら翻訳する俺の気持ちを。

その文章も、怒りに任せて、言ってはいけないようなセリフの応酬だよ。

その後、俺は2日間寝込んだよ(寝込んではないけど、2日間はPCすら点けなかった)。

そして部の雰囲気はめちゃくちゃになったというのに、自分は用が済んだらさっさと2日目を終わりにするという。

不自然なくらいにスキップし、気付けば詩作パート。本当にやりたい放題。

詩作パートでは、単語の一部が文字化けしている。

さすがにそれをあえて選ぶ勇気はない……ナツキも喜ばないだろうし……

ちなみに2日目と3日目の開始時に、ゲームのインストールディレクトリに見慣れぬテキストファイルが生成されている。

3日目からは、1周目とは大きく異なる展開となる。

お待ちかねのナツキイベント。

邪 魔 を す る な ユ リ 。

たぶんここから強制的にユリのルートへ。

俺にはナツキとの約束があるのに! ……あれ、あったっけ?

ユリイベント自体は悪くはなかった。

次に詩を見せあうパート。

ナツキに詩を見せると、完璧にナツキの好み通りに作ったはずなのに、あまり気に入ってくれなかった。

なぜなら……ナツキは今日も俺と一緒にマンガを読みたかったのに、ユリと一緒にいたから。

ナツキは怒ってる。泣いてる。って、ちょっと待て、なんだその涙。

ものすごくホラーなんですけど……って、これホラーゲームだったっけな。

そして

END

……左右反転してるから、たぶん嘘だね! ENDじゃないって意味だよね!

もちろんゲームは続く。

……主人公、さっきから黙ってないで何か喋れよ!!!

この辺りから、主人公が長時間にわたってほとんど何も発言しないというシーンが増えてくる。

BGMが消えたり、画面がおかしくなったりしてるときにヒロインが一方的に喋り続けていると、不安になる。

モニカに詩を見せると、俺はまさにユリ向けに詩を書いたことになってるし、おまけにメタ発言をしまくるし。

何が「私を助けてください」だ、アラートウィンドウまでお前の味方か!

あとユリ、お前は主人公のペンで何をした?

いやいや、想いをぶつけるって、(物理)ってやつなんだろ、お前……

ここのユリの詩は、おそらく本作で最難関の英文であろう。それを英文と呼ぶのなら。

再び特別な詩。ではなくモニカ。のような何か。

!?!?!?!?!?!?

サヨリ、どうしてお前がここに!? いったいどうして……

……どうやら見間違いだったようだ、いや、断じて見間違いじゃないね、ただ証拠のスクショは取れなかったよ、だってそれはスクショに映らない――マウスポインターだったから。

そして学祭の準備に入るが……乗り気じゃないナツキやユリに対し、モニカは強く説得することができない。サヨリもいないしな。

てか、ナツキ、いたんだ……急に消えちゃうから心配したよ。「END」がナツキのことじゃなくて安心した!

しかし学祭で新入部員を勧誘するのに乗り気でないナツキは気分を害し、帰宅してしまう。

ナツキ、今度は大丈夫かな……ちゃんと明日会えるよね?

ナツキが帰ったと見るや、ユリの発言が「たまに」過激になる。

貴様……今日の狼藉の数々、絶対に許さないぞ。

ユリは主人公と一緒に帰ろうとするが、モニカが邪魔をする。

そしてモニカと二人きりになると、ついにモニカは本性を? つまり、他のヒロインを否定するようなことを……

「時々、ここではあなたと私だけが、本物の人間のように感じるの。どういう意味か分かる?」

あ、なるほど……確かにそうだな。少なくとも「俺」は、な。

しかし……またしてもこの一日は強制終了……ところが、どうやらモニカの意志ではないようだ。

 

俺が進めたのは現在のところここまで。

2周目が終わったら、また長ーい感想記事でも書くよ。

DDLC界隈の最近の動向

開発者が公式の日本語版について言及したようだが、どうやら非公式(ただし公認)の日本語化パッチが開発されているらしい。

俺もチェックしてみたのだが、翻訳は完了していて、すでにパッチが配布開始されている。

俺が言うのもなんだが、その翻訳は荒削りな部分も多い(とはいえ俺の翻訳よりはずっと正確なのも確か)。

それでも、日本語で誰もが気軽にプレイできるようになったのは大きい。

俺も去年のうちにさっさとプレイ&翻訳を完了して、このプロジェクトに関われていればよかったんだけど。

↑パッチ配布ページ

↑紹介記事

日本語化すれば誤訳の心配はないが、言語のニュアンスが失われる一面はあるはずなので、英語力に自信のある人は、ぜひとも英語でプレイしてみてほしい。

「Just Monika」とか「Happy thought」のようなキーワードが翻訳されて、ファンの間で通用しなくなってしまうのはちょっと寂しいな……

ちなみに、本作はSteamアワードにノミネートされたようだが、事前にアナウンスされた「夢にまで出て来そうで賞」ではなく、急遽ノミネートされた(?)「言語に絶するで賞」に見事ランクインを果たした。

おめでとうございます!

↑受賞作を紹介する記事(英語)

イラスト

1周目のナツキとの日々が忘れられないので、予告通り(???)ナツキにエプロンを着てもらったイラストをせっせと描いていた。

俺のイラストなど見たことない人ばかりだろうからあらかじめ言っておくが、俺は絵をめったに描かないし、うまくもない。

しかし、やはりこの作品への、そしてナツキへの愛を形にしなければ……

手を付けたのは去年だったが、いろいろあって中断し(というのも、俺はイラストを完成させるのにものすごく時間をかける)、イラストの題材的にバレンタインデーまでに完成させようと考えていたところ、さらに遅れて最終的に完成したのは一昨日になってしまった。

というわけで、こんなのです、どうぞ。

Will you bake the way into my heart?
Will you bake the way into my heart?
「あの日」で終わってしまった1周目の、あったかもしれない未来――バレンタインデーを迎え、ナツキが俺のために“アイシング・カップケーキ”を作ってくれる、という叶わぬ夢を描いた作品。

Pixivにも投稿したのでよろしく。

Pixivでのタイトルが少し異なるが、文字数制限のせい。なんという。

イラストの反省をするなら、まずはエプロン、もっとかわいい感じにしたかったんだけど、アイデアがなかった。

あとボウル、金属製じゃなくてポップな色合いのプラスチックにしたほうがよかったな。色は悩むけど。

髪の影を今までで一番いい感じに付けられたと思う。時間はかかったけど。

瞳もちょっと塗り方を変えてみた。いつもしっくりこないけど、今回はまし。

なにげに1年半ぶりに絵を描いたことになるんだけど……描かなさすぎじゃね?

Pixivの過去絵を見てもらえれば、俺の画力の変遷がわかると思う……

まとめ

今回は俺のDDLCに関する進捗を発表し、俺がまだ活動中であることを示した。

俺としては、イラストが描けて満足なんだけど。

とにかく俺は、さっさとDDLCをクリアして、世の中の波に乗る。

やりたいことはまだまだたくさんある。

なかなか時間がかかるだろうけど、気長にご期待ください。

P.S.

やっと2周目をクリアした。プレイよりも感想に時間がかかったのは内緒。