昨今、何かと話題になるブラック企業のニュース。
そして最近言われるようになったのが、われわれ消費者のほうが過剰なサービスを求めているのが問題だという話。
例としてよく挙げられるのが、コンビニの24時間営業、そんなもの必要ないのではないか、という意見。
いや、近頃話題になってるブラック企業の問題って、コンビニとかじゃなくて某広告企業とかSE関連とか、そっちじゃないの?
個人的にコンビニは、客の需要があって、経営者の意向があって、バイトの成り手がある限り、24時間営業でいいだろ……
とか考えてたんだけど、よく考えてみると、京都府北部という片田舎に住む俺の中の“コンビニ観”って、世間一般とはけっこう離れているんじゃないか。
そう思ったので、ここで俺と地域のコンビニ事情を振り返ってみることにした。
最寄りのコンビニ
俺の家から最も近いコンビニといえば、俺の母校の高校の近くにあるローソンだ。
これは割と最近にできたもので、俺にとってよりなじみ深いのは国道沿いのローソンだ。
いずれも自宅から車で15分。
そう、田舎民にとってコンビニに行くのも、スーパーに行くのも、デパートに行くのも、すべて車なのだ。
そしてコンビニはしばしば、どこかに行く「ついで」ではなく「目的地」となる。
車でスーパーに行って、さらに足を伸ばしてコンビニ、とか。
都会民にとっては信じがたいことだろうか。
※俺の家からは最寄りのローソンよりスーパー3店舗のほうが近い。
俺の住む地域にはローソンが多いが、町内には他にファミマもある。車で20分。
あとミニストップが出店しようとしているようだが、オーナーが見つからないらしい。
結局、最寄りのミニストップは宮津の由良(軽巡由良でおなじみの由良川の近く、ほぼ舞鶴)か福知山。車で50分くらい。
かつて宮津I.C.の近くにあったが、今はファミマになっている。
セブンは福知山まで行かないとない。車で40分。
セブンは集中的に出店する戦略があり、あるところにはたくさんあるが、ないところには全くないことが知られている。
今でこそ四国にはあちこちにセブンができているが、ほんの数年前まで四国にセブンはなんと1店もなかったのだ。
よって福知山以北にセブンが進出することは現在のところ考えにくい。
そこまでして田舎民がわざわざコンビニに行く理由は、何よりその品揃えにあるだろう。
なにしろ、地域のスーパーと違って全国展開しているコンビニでは、スーパーには売っていない珍しい商品がいろいろあるのだ。
そういったものを買うため、わざわざコンビニに足を運ぶ。
これが俺たち田舎民のコンビニ事情だ。
地域のコンビニの歴史
北近畿の交通の要衝にして“実質”最大の都市である福知山には、かなり前からコンビニは存在していた。
そして俺が住む某町にも、中小チェーンのコンビニが存在していた。今はない。
福知山より北にある俺の住む地域に、大手チェーンのコンビニが初めてやってきたのは、2004年になってからだった。
いつだっけ、とググってみたがネットに情報がほとんどなく、探すのに苦労したのは内緒。
この頃、ローソンは北近畿への進出を始めたようだが、そうしてできた京都府の福知山以北では初の大手コンビニが、俺がよく利用している2番目に最寄りのローソンだ。
その後、ローソンと、続いてファミマがこの地域に相次いで開店した。
できた当初は物珍しさから行く人も多かっただろうが、そんな一人である俺の親が買ってきたローソンの「おにぎり屋」の「生たらこ」を初めて食べて以来、俺はすっかりローソンのおにぎりのファンである。
最近「てっぺん盛り」(笑)になって劣化したけど。それ以前に「生たらこ」はなくなったし。
地域にコンビニができてから、買い物先のレパートリーが増えたという以上に、確かに便利になった。
例えば、車で旅行に行くのに未明に出発しても、高速道路に乗る前にコンビニに寄って朝食などを調達できる。
トラックドライバーや旅行者などは、やはり全国津々浦々に、せめて国道沿いには、見慣れたコンビニがあれば心強いだろうし。
こんな田舎でも深夜にそれなりの需要があるんだから、やっぱ24時間営業は必要だと思うんだけどなぁ。
ところで俺の住む某町では、これまでに2店舗の大手コンビニが閉店している。
いずれも前後してすぐ近くに同じ店が開店しているので、移転といったほうが正しいかもしれない。
どちらもより高速のI.C.に近いほうに「移転」していった。
地域初出店となったファミマの店舗は、移転により最寄りのI.C.に最も近いコンビニとなった(そしてそのI.C.の名を冠することとなった)が、その後ローソンがさらに近く、文字通り目と鼻の先に移転してしまった。
さらに、向かいにはパチンコ店までできた。
しかも、ローソンはI.C.から主要な観光地の方向にあるが、ファミマは逆方向。
一つ北のI.C.でも、当地初のコンビニとなったローソンが、後発のファミマより近い(市街地にも近い)という、ローソンの戦略的勝利となっている。
ファミマは宮津I.C.では最寄りのミニストップを買収し、I.C.最寄りのコンビニの地位を獲得したが、市街地にあるローソンより遠く、道の同じ側にあり、つくづく先見の明がないというかなんというか。
コンビニの密度
都会にはコンビニが至る所にあると公民の教科書に書いてあったが、実際に都会に行くとその通りだった。
かつて徳島に住んでいた時、自宅アパートからよく自転車でコンビニに行ったが、雨が降っていれば歩いて行ったものだ。
今の家なら、自転車でも行きたくない距離だ。
そのすぐ近くにある高校に自転車で通っていたわけだが。
なんでも、コンビニは店舗間が400メートルも離れていれば、互いの売り上げに影響はないという。
現在わが町に3店舗あるコンビニは、それぞれ1km程度以上離れているが、田舎ならば妥当な間隔だろう。
それよりも、都会のコンビニの数が異常なのだ。
コンビニのバイトがブラックなのだとしたら、間違いなくコンビニの数が原因だ。
コンビニのバイトの成り手は暇を持て余したおじさん・おばさんが多く、人の少ない田舎でさえ人員不足でブラックなどという話は寡聞にして聞かない。
あくまで俺の実感であるが、コンビニの24時間営業をやめるべきという意見に全く共感できないのは、こういう感覚の違いによるものではないかと。
都会民にとっては、また違うのだろうか。
終わりに
今回は俺の住む地域のコンビニ事情と、その歴史について振り返ってみた。
ネットに情報が乏しかったこともあり、今回まとめた記事は地域史を振り返るにあたってそれなりに有用かと思われるが、俺は住所を公表していないため、どこの市町村、とは書けないのが残念だ。
まあちょっと地図でも見ればすぐに特定できるが……
そのうち俺の名前で商売するようになれば、何も隠す事なんてなくなるさ……
予定はある。具体的な計画はまだないけど。
その辺もお楽しみに(?)
こめんと