去る9月13日は、スーパーマリオブラザーズの発売30周年でした。
おめでとうございます!
俺の記憶では初プレイはスーファミ版の『スーパーマリオコレクション』(移植版)だが、まさに不朽の名作といったところか。
そして、9月10日には、注目作『スーパーマリオメーカー』が発売。
もちろん、買うよね。
ということで、発売日(厳密には前夜)に即DL購入。
去年のE3からずっと楽しみにしていた本作の、予想と期待と現実を比べつつレビューする。
『スーパーマリオメーカー』とは
一部で人気の「改造マリオ」。
自作のマリオコースを簡単に作れる公式のツール、もといゲームが、『スーパーマリオメーカー』だ。
Wii Uゲームパッドのタッチパネルで地形やブロック、敵やアイテムなどを自由に配置し、だいたいどんなコースも作ることができる。
目をつぶってもクリアできる簡単なコースから、100回やってもクリアできないような鬼畜コース、ネタ重視のコースまで、すべてはアイデア次第。
地形も、地上や地下、水中や城も作れる。
さらに、本作では初代『スーパーマリオブラザーズ』だけでなく、『スーパーマリオブラザーズ 3』、『スーパーマリオワールド』、『NEWスーパーマリオブラザーズ U』の各スキンに切り替えできる!
スキンによって見た目が変わるだけでなく、ゲームごとのアクションも追加される。
例:『3』では甲羅を持つ、『ワールド』ではスピンジャンプ、『U』では壁キックなど。
パワーアップアイテムも、初代以外は一つずつ追加される。
※『3』ではスーパーこのは、『ワールド』ではマント羽根、『U』ではプロペラキノコ。プロペラは『Wii』だろとか言わない。
初代は初代の、『U』は『U』の楽しみを味わえるわけだ。
そして作ったコースは、ニンテンドーネットワークに投稿し、世界のプレイヤーと共有できる。
投稿されたコースを検索し、ダウンロードし、プレイしたり改変したりもできる。
※ダウンロードしたコースを改変したものは投稿できない。
ソーシャル時代の新しい『スーパーマリオ』の幕開けだ。
再現度と新鮮さ
原作に登場するほとんどのブロックや主な敵キャラが収録されており、その気になれば原作の再現も高レベルで可能だと思われる。
一方で、敵キャラを巨大化させる、「羽根」を付ける、土管やキラーから出すなど、いろんな組み合わせを試すことができる。
これらの組み合わせには、思い通りの動作になるもの、思いがけない動作になるものなどいろいろあり、全く新しい体験も可能。
ブロックからクリボーを出したり、ジュゲムが1UPキノコを投げたり、クッパに羽根を生やしたり、ノコノコタワーを作ったり、カオスなコースになること間違いなしだ。
羽根トゲゾーは強キャラ。
どうせ鬼畜マリオ
発売前に俺が最も危惧していたのは、投稿されるコースが鬼畜難易度のコースで埋まる状況だ。
鬼畜難易度のコースを作るのは簡単だからだ。
難しくても面白いのならいいのだが、芸もひねりもない単純に難しい仕掛けを10個20個入れたコースなど、全部成功すればクリアで、一つでもミスれば死ぬ、ただそれだけのコースが面白いわけがない。
鬼畜マリオなんか内輪で作って友達にやらせてろ。
と言いたいところだが、実際に他者の制作コースをランダムで楽しめる「100人マリオチャレンジ」の「むずかしい」レベルは、マリオメーカーにはびこる糞コースのオンパレードとなっている。
開発者もこの状況を予期していたようで、「『職人』10の心得」という取説内の文書の中では、ゲームバランスの重要性や、親切なデザインを力説しているが、クソガキどもがそんなものを読むはずもなく。
※職人:コース製作者のこと
まあ、ちょっとした強制力のある抑止策はあるんだけどね。
投稿できるのは作者が実際にクリアできたコースだけ
投稿前には、実際に自分でプレイしてクリアできることを証明する「クリアチェック」というプロセスが必須になる。
これにより「絶対にクリアできないネタコース」は投稿できなくなってしまうが、まあ諸事情を鑑みればやむを得ないだろう。
ただし、そのコースのすべてを知っていて、実際に試しながら制作した作者と、何も知らないプレイヤーでは難易度に天地の差があるってもんだ。
はぁ……これからどうなるもんかな……
全自動マリオの新時代
これまた一部で人気の「全自動マリオ」も簡単に作れるようになった。
言っとくが、作るのは意外と簡単だぞ? 全自動ってだけで「すげーーーーー」なんて言うのはただのにわかだぞ?
すでになかなか面白い全自動マリオや半自動マリオが投稿されているが、これから伸びそうなのはやっぱり「自動マリオシーケンサー」だろうと予想。
音楽に合わせて効果音を出す、ニコニコなどで流行ったアレだ。
もちろん本作にいろんな曲が入っているなんてことはないが、BGMをプレイヤー側が各自用意する(もしくは脳内再生する)ことにすれば……
というか、本作にはそれを見越して(なんてことはないと思うが)、「オトアソビ」といういろんな効果音を鳴らす仕掛けが用意されている。
そのうちマリオメーカーで多数の自動マリオシーケンサーが作られるのではないだろうか。
再現できない
さて、ここからは不満点ばかりになるが……
本作では原作の動作をできる限り再現したうえで、全く新しいコースを作れるようにする、という感じを期待していたし、開発者もそうしたかったのだとは思うが……
残念ながら、俺のような古参マリオファンならずとも、本作の原作再現度にはがっかりしたのではないか。
重箱の隅をつつくような指摘をすれば、再現できてない部分は無数にあるだろうが、そうでなくとも個人的にがっかりした点は以下の通り無視できないほどある。
初代で後戻りできる
初代といえば、右にしか画面をスクロールできず、左に戻ることはできない仕様だった。
しかし、本作では他ゲームスキンとの整合性のためか、初代スキンでも「戻る」ことができてしまう。
これで何が困るって、地下面名物の「壁登り」ができない!
どうせクリアチェックがあるんだから、再現度を重視してもらいたかった。
ジャンプ力が変わっている
初代のクリアポール(旗)の手前にある階段は高さ8ブロック、階段とポールの間は8ブロックだった(階段の先端から9ブロック目にポール)。
これで初代ではぎりぎりポールの頂点に届くのだが、本作の初代スキンでこれを再現すると、余裕でポールの頂点を掴んでしまう。
本作でぎりぎりに作るなら、ポールは1マス遠くに立てなければならない。それでもやや簡単だが。
これも他ゲームスキンとの整合性のためなのかもしれないが、非常にがっかりだ。
甲羅飛びが飛びすぎ
初代では敵を踏むときにジャンプボタンを押していてもあまり高く飛び跳ねない。
一方、通常のジャンプでは届かない足場に、浮遊するパタパタを踏んでジャンプすることで到達できるというテクニック、通称「甲羅飛び」があり、甲羅飛び用のパタパタは通常より少し高く飛べるようになっていた。
『3』以降ではかなり高く飛べるようになっている。
ところが本作では、どんな敵を踏んでも、初代の3倍以上も飛べるようになってしまった。
通常のジャンプ力が上がったこともあり、「甲羅飛び」必須の仕掛けを作るときには、彼岸の足場をかなり遠くに作らなければならず、画面上表示がぎりぎりとなってしまう。
初代では「左スクロール」ができなかったから、逆に右を広く画面に映すこともできたのだが、本作ではそれもかなわない。
ゲームスキンの変更は見た目だけでなく一部のアクションも変わる、と公式は言っているが、こういうのも変えるべきところだろ!!!
収録されてるのに再現されてない
『3』などにあった「斜め砲台」はバッチリ収録されている。
しかし、『3』の戦車面にあった「ボムへいが出る斜め砲台」は再現できない。
また『3』の壊せないブロック(木目模様)に横から触ると横に揺れてアイテムが出る、という仕掛けも再現できない。
音符ブロックも隠しブロックもあるが、隠し音符ブロックはない。
ドッスンは横移動ができない。
リフトは幅4ブロックのものしかない。
初代には(厳密には『2』だが)水中にクリボーもノコノコもいたしハテナブロックもあったが、敵は地上と同じ動きをしたし、踏めばミスになるし、ハテナブロックは叩けなかった。キラーは発射されなかった。
ところが本作の初代スキンでは水中の敵は動きがゆっくりだし、クリボーに至っては泳ぎ回る強敵になっている。
ハテナブロックは叩けるし、キラーは普通に発射される。
わざとなのかもしれないが、どうしてこうなった……
プクプクもっと頑張れよ
初代にはプクプクが無数に飛び跳ねる「吊り橋」のコースがあった。
本作でも再現可能だが、プクプクの飛び跳ねる高さが……
下端からわずか7ブロック。
画面の真ん中くらいだ。
初代では画面の上のほうまで飛んだから、ジャンプで踏むのは困難だったのに。
あと、飛び方が変わったが、みなまでは言うまい。
小さくしたい
本作のキラー砲台の高さは2ブロックから。
つまり、初代にも『3』にもあった「高さ1の砲台」は作れない。
リフトの幅が固定なのは上述の通りだが、初代のアスレチック面などにあった緑色の足場は、最小で幅3、高さ3となっており、下端から2ブロック目にある原作のコースを再現できない。
【致命的】アイテムブロックの仕様
2015年11月6日追記:
このセクションの内容は、ver. 1.20 アップデートにて対処され、原作のようなアイテムの出し方が可能になりました。
ハテナブロックなどから出るキノコやフラワーなどのアイテムは、そのときのマリオの状態によって変わる。
つまり、「チビマリオ」のときはキノコが出て、「スーパーマリオ」のときはフラワーが出る、といった具合だ。
ところが本作では、スキンによらず、キノコを入れたブロックからは常にキノコが出、フラワーを入れたブロックからは常にフラワーが出る。
これではゲームバランスがおかしくなってしまう。
チビマリオのときにフラワーを取るともちろんファイアマリオになるから、フラワーを配置すると簡単になりすぎるし、かといってキノコしか配置しないと難しくなってしまうわけだ。
ちなみに初代では、フラワーを出したあとミスをしてチビになった後、フラワーを取ると、ファイアマリオではなくスーパーマリオになっていたが、再現されているわけがない。
さて、ここまで糞懐古厨による不満点の嵐だったが、まあ本作は本作として割り切ってしまえば、いろいろ工夫もできるしそんなに嫌じゃないんだけどね。
投稿できない
「絶対にクリアできないネタコース」を投稿できないのは上述の通りだが、他にも投稿できない場合がある。
まあ、コース名に関するNGワード関連の話だけど。
どんなNGワードがあるのか確認したわけではないけど、「数字が5文字以上含まれるコース名」は、全角半角、連続不連続を問わず、投稿させてくれない。
数字5文字って、何がダメなんだ……
郵便番号だって7文字だし(郵便番号なんて個人情報でも何でもないだろ)。
海外プレイヤー向けに日本語と英語でタイトルをつける際、かなりの制約を受ける。
投稿できない2
一人のプレイヤーが投稿できるコースの数は10コースまでとなっている。
これはWii Uのアカウント単位だと思われ、サブ垢を作ればさらに増やせると思うが、めんどいよね。
で、他プレイヤーからの評価の高いコースの作者は、投稿可能数が増加するようになっている。
つまり、人気作者はたくさん投稿できるけど、くだらないコースばっか作る奴は10コースで我慢しろってことだね。
コースをプレイしたプレイヤーは「いいね!」を付けることができるのだが、はっきり言ってほとんどのプレイヤーは「いいね!」をほとんど得られないだろう。
ランキング上位のコースにプレイヤーは集まり、「いいね!」も集まるのだから。
ニコ生をやってるとかで人気や知名度がある人ならともかく、一般ピープルのコースを見つけてもらえる機会なんて、「100人マリオチャレンジ」などのランダム抽選に頼るしかない。
じゃあ、ポケモンの「コイループ」のように、みんなで協力して「いいね!」を稼げばいいじゃない。
日本人はクソ
↑はっきり言って無理です。
日本人プレイヤーはニコニコとかで目が肥えてるのか、それともLINEみたいなクローズドなコミュニティでしか他者と交流できないコミュ障だからか、もしくは辛口評論家気取りなのか、他者のコースに「いいね!」を付けることをしない。
すでに人気になっている全自動のコースとかには付けるくせに。
俺のコースに「いいね!」を付けてくれた人は、ほとんど海外勢だ。
その証拠に、コース名が英語で始まるコースを投稿してみたところ、プレイヤー数も「いいね!」数も2倍以上となった。
プレイヤー自体の数が日本人と海外勢のどちらが多いのかは知らないが、ここまで差があるのなら、コース名は英語で付け、完全に海外勢にターゲットを絞ったほうがいいというのは明らかだ。
お前ら、「いいね!」が欲しければ、自分でも「いいね!」しろよな。
俺は日本人なんて見限ってるから、今後は英語メインでタイトル付けるけどな。
まとめ
まあ、俺はこの制約の中でも、わりと本格志向でコースを作っていくつもりだ。
あと、変なコースも作りたいけど、投稿数上限が……
不満点もあるし、投稿型コンテンツであるせいでアプデも難しいだろうけど、アイデア次第でいくらでも楽しめるし、息の長い文化になってくれれば。
俺が作ったコース
俺がこれまでに投稿したコースの中からいくつか紹介しよう。
※コースの情報はこの記事の執筆時点のもので、予告や追記なくコースやMiiverseの投稿が消えている場合がありますがご了承を。
※2015年11月6日追記:
『マリオメーカー』ver. 1.20 アップデートに伴い、ほとんどのコースを修正して再投稿しました。以下はすべて修正後の新しいコースとIDです。また、以下にはないコースもいろいろ投稿しています。追って紹介予定。下部の「関連記事」もご参照を。
いつもと違う1-1 Unusual 1-1
コースID:3209-0000-00D7-6FBD
原作改変コースの「いつもと違うシリーズ」。
おそらく世界一有名な初代の1-1のコースを忠実に再現したうえで、随所に改造を施した。
クリボーの上にパックンフラワーが乗ってるけど、まあ簡単。
タイトルの元ネタは……わかる人なんているのか?
いつもと違う6-4 Unusual 6-4
コースID:E553-0000-00D7-7702
「いつもと違うシリーズ」から、『2』の6-4の改変コース。
原作には「間違ったルートを進むとループする」トラップがあったが、再現が難しいため断念。
かわりにバブルを増やしたりバーを長くしたりしたが、ハンマーブロスにパックンフラワーを載せたところが難しすぎたのか、クリア率は図らずも低くなってしまった。
ちゃんとコツはあるんだよ!
※2015年11月6日追記:
アップデートに伴う修正はしていないが、うっかり削除して再投稿したため、コースIDが変わっている。
あぁ友情 弾幕シューティング Shooter ~Easy~
コースID:EEF7-0000-00D7-8992
☆紹介記事☆
※2015年11月6日追記: 旧コースの記事。
強制スクロールの中、クッパクラウンに乗って飛行しながら、弾幕をかいくぐる弾幕シューティングゲーム風のコース。
シューティング(自分も撃てるとは言ってない)
一応ファイアもあるけど、ファイアで倒せる敵ばかりじゃないからな。
このコースはかなり簡単。
タイトルの元ネタがわかる人は……いないか。
あぁ友情 弾幕シューティング Shooter ~Normal~
コースID:D7E3-0000-00D7-8E21
☆紹介記事☆
※2015年11月6日追記: 旧コースの記事。
中級編。
でも全体的に見るとかなりの鬼畜難易度かと思われ。
「Easy」とは打って変わって、アイテムは少なく、弾幕は濃い。
クリア率は5%以下を想定。
あぁ友情 弾幕 STG ~Hard~
コースID:A1B0-0000-0037-294C
※2015年11月6日追記:
旧コースは削除済み。新コースは未投稿。難しくてなかなか投稿できない……
上級編。
サムネの時点でドン引きする難易度で、想定クリア率は1%未満だが、やり込めばそこそこ安定すると思われ。
てか弾幕シューティングなんて、ほぼパターンゲーだし。
「自分がクリアできないコースは投稿できない」ため、クリアチェックが通るかどうかが勝負だったが、俺もこのコースを作ってるうちにかなり上達したので、クリアチェックは数回で通ってしまった。
さらに難しい「EX」レベルを作る予定だけど、クリアチェックの問題もあり公開は未定。
というか敵キャラ類はコース内に100個までしか置けないってのが地味にきつい……
100 coin Wアスレチック W-Athletics
コースID:C487-0000-00D7-836C
☆紹介記事☆
※2015年11月6日追記: 旧コースの記事。
上下二重構造のアスレチック面。
上はかなり本格的なアスレチックで、それほど難しくない。
下はプクプクが大量に飛び跳ねる吊り橋で、かなり難しい。
上から落ちてしまっても死なないが、地獄の吊り橋が待っている。
コース内には合計でちょうど100枚のコインがあるが、すべて取るのは至難の業だ。
ちなみに俺の投稿コースでは一番の「いいね!」稼ぎ頭。
終わりに
このブログの読者になら言える。
俺に「いいね!」をくれ!
こめんと