『ゼノブレイドクロス』から2年半――

他の多くの人と同じように、俺もこの時を待っていた。

2017年12月1日。『ゼノブレイド2』発売。

俺はダウンロード番号を予約購入し、「あらかじめダウンロード」からの、発売日の日付が変わってすぐに当日アップデートを適用し、すぐさま「アルスト」の地に降り立ったのだ。

そしてそれから寝食も忘れて(半分嘘)プレイに没頭し、とはいえ寄り道も存分に楽しみつつ、ようやくエンディングに辿り着いた。

今回は、そんなゼノブレ2の感想と評価を綴っていきたい。

あ、感想なんでネタバレ普通にあります注意。

はじめに

おかげさまで、このサイトは今月8日に累計20万PV(アクセス)を達成しました。

これもひとえに、このサイトをここまで盛り立ててきた俺のおかげです。(お約束)

ちなみに、最初の10万PVは去年の12月30日までの数年間かかっているので、いかに今年いろいろあったか……

今年の10月まで、このPVを支えてきたのは『ゼノブレイドクロス』に関する記事だったわけで、ゼノブレイドにはつくづく縁のあるブログであり、感謝してもし足りない思いがある。

前作と前々作について

俺は前作『ゼノブレイドクロス』のガチ勢だった。なにしろ、「ゼノクロ 厳選」辺りでググるとこのブログが最初に出るからな。

しかし、俺は前々作・無印『ゼノブレイド』を実はプレイしていない。

買おう買おうと思いながら、結局買わずじまいだったわけだ。

前々作の評価はすこぶる高く、それに対して前作の評価がすこぶる低いのは俺も知っているが、前々作を知らない俺にとっては前作も十分に楽しめた、というかものすごくやり込んだぞ。

まあそういうわけで、俺の今作に対する評価は、前々作を知らない点を考慮しなければならないだろう。

でも、いいものはいいし、楽しめたものは楽しかった、で良くない? とは思う。

もちろん前作には不満が山ほどあるけど。ロングソードが強すぎるとかロングソードが強すぎるとか。

萌えるキャラがほぼいなかったとか。

アバターを女の子のツインテにして、身長とバストサイズを最低にして、ボイスを「甘え声」にして、乏しいファッション装備からマシなものを選んで、脳内補正を目一杯かけて、ようやく「ああこの子可愛い……」ってやってたくらいだ。

今作は、発売前の情報からして、可愛らしいキャラがたくさん登場するというから、すごくわくわくして待っていたのだ。

いや、俺は萌えキャラは大好きだけど、ゲームに萌えを最も求めてるわけじゃないぞ?

とまあ、しかしそういうのも踏まえての評価になるかな、今作は。

キャラクターについて

今作は可愛らしい女の子が盛りだくさん!

……いや、いくらなんでも女の子キャラに偏りすぎてないか? レアブレイドとか特に。

この手のゲームは主なプレイヤー層が男になるんだろうから、仕方ないか?

もしかしたら、むさ苦しいオッサンだらけだった前作の反省を活かしたのか?

あれは、もういい年したプロデューサーたちの好み全開でシナリオを書いたからだと聞いたが……

やっぱ若い視点は大切、ってことだね(?)

今作は主人公もヒロインもすごく若い。
前作は未成年のキャラすらほとんどいなかったと言えば、異常だったと気付くだろう……

レックスもニアも、正確な年齢はわからないまでも、周りから子供と言われて殊更に反発したりしない程度だから、中学生くらいだと想像してる。

ブレイドに至っては、ロリやショタまでいるし。
ショタって誰のことっすかね? いやアイツさ。びっくりしたよ、女の子だとばかり思ってたら男の娘だったとはね。

そしてロリといえばハナちゃん。

ハナちゃんって正式名称は「ハナJS」なんだよね……JSって何のことでしょうかね(微笑)

それよりノポン語だよノポン語!

ノポン語なんて、前作のタツとかが喋ってた、語尾に「も」を付けるあの変な喋り方のことだろ?

こ、これは……!

ノポン語も、美少女が喋れば萌え要素だということに気付く。

というわけで今作はこいつで決まりだ。

ハナちゃんには実はJS以外に「JKモード」もあるのだが、そっちも可愛いけど、アレが、ちょっと、ね……

こんなに大きくなっちゃって……(血涙)

え、JDモード? ナンスカソレ?

やっぱJSかな、俺は。

……と思いきや。発売直前に特大のサプライズをぶっこんできたぞ、モノリスめ!

日高様……俺の唯一にして最も敬愛する声優様ではないか!

こんなところでもそのお声を聞けるなんて、俺は本当に幸せ者だ……!

そして俺はついに……

ちゃんと入手したぜ。

――と、俺の好みの話ばかりになってしまったが、キャラクターに関しては前作とは比べるまでもなくいいんじゃないの?

ただ、ストーリーにおいては、ハナちゃんが大活躍だった一方で、若干、いや少なからず、トラの影が薄かったのが気になったが……

トラがノポンで無神経キャラだからって、邪険にするんじゃねぇ! ハナちゃんの生みの親だぞ!!

ハナにさえディスられながらも、地味にいい味を出していたトラ、ギャグシーンばかりじゃなくてもうちょっと重要なシーンに、ハナのついで以外で絡めてほしかったな。

とはいえ、ハナはトラの命令にはいつも素直に従っているし、トラのいないところではトラのことをよく褒めてるし、やっぱりハナちゃんにとってはトラが世界の中心なんだろうな……と妄想している。

ストーリーについて

前作と前々作のストーリーは、仲間に裏切られたり、とんでもないどんでん返しがあったり、とにかく気の置けない話だったという(シナリオライター談)。

そして今作は、そんなんじゃなくて、まっすぐでひたすら王道な話を目指したのだという(同前)。

まあ前作のストーリーは控えめに言って欠陥レベルだったから、それと比べるのは申し訳ない感じもする。
とはいえプロデューサーもメインライターも前作と同じだったりするけど。

やっぱ前作はストーリーが未完成だったんや……

前述の通り、俺は前々作は知らないから、今作を単体で評価すれば。

普通にすごく面白かった。

勝ったり負けたり、うまくいったり失敗したり、でもまっすぐ目標に向かってひた走り、理不尽な裏切りに遭うこともなく、最後まで熱い話だったと思う。

そして最終的には、すべてがうまくいってハッピーエンド。

後半から唐突にメカとロボの話になっていったのは、ついていけない人もいただろうけど。

衰退していくローテクな世界、と思いきや、最後はめちゃくちゃ未来感あふれるSFだったもんな。

まあ俺は大好きさ。

ムービーが長すぎるって意見もあるようだけど、それは確かにその通りかも。

俺はムービーをずっと観てるのも嫌いじゃないけど、ボスバトルなんかは途中までやって、残りはムービーで、という感じで消化不良感は否めないかもな。

ストーリー的には主人公たちは何度も負けるんだけど、そこを負けイベントにせずに、バトルパートではちゃんと勝たないと先に進めない、そしてムービーで負ける、っていう手法はいいと思った。

ムービーじゃないとなかなか泣けないしな。

そう、最近は涙もろさに定評のある俺は、本作においてもムービーを観て何度も泣いた。

いや、泣いたってのは泣くほど感動したって意味なんだけど、1回は実際に涙を流して泣いたから大丈夫、嘘は言ってない。

ハナちゃんへの感情移入が半端ない。

ただ、ただ最後だけ……最後の最後だけ……

ラスボス倒してクリアしたのに、世界に何の変化もない!

どころか、ゲーム内の「現在の目的」がラスボス戦開始のトリガーのまま動かない!

え、これもしかしてずっとこのままなの?

念のため、もう一度ラスボスを倒してみた。一度目は一発で倒せたけど、二度目は2回敗北した。

やっぱり何も変わらない。

無駄にレベルが3ほど上がった。

とりあえずシステム画面にクリアを示す(?)マークがついたから、クリアしたことにはなってるんだろうけど、世界はラスボス戦直前のまま。

それってつまり、世界が滅亡の危機に瀕している最悪の状態のままってことじゃん。

いくら何でも後味悪すぎないか?

まったく、モノリスはやっぱり最後にやらかしてくるな。前作から変わっちゃいない。

発売の1年後辺りに出るというDLCの新ストーリーとやらを入手すれば解決するの?

まあ、ゲーム的にはこうするのもやむを得なかったんだろう。

世界樹が崩壊、雲海は消失、アルスは合体して大陸を形成……なんて、ゲーム中では再現できないだろうし。

……できないような結末にすんじゃねぇよ、ちゃんとゲーム内で表現できることだけにしとけばよかったんだろ。

もしくは何としてでも再現してみろよ。アーケディアに行けなくなる状況はちゃんと実現してるんだから。

まったく、モノリスは詰めが あまあまういんな だわ。

それを除けば、素晴らしいストーリーでした。まる。

今後のアップデートで2周目要素が追加されるとか、発売の1年後くらいにDLCとして新ストーリー追加とか言っているが、まさか今作もほんとは未完成だったんじゃ……

サブストーリーについて

サブストーリー、つまりメインのストーリーには関わらない、クエストとかについては……

前作はクエストの数がものすごく多かったな。

というより前作はクエストがむしろメインだと、開発者が語っていたような。

今作はクエストの数は前作よりずっと少ない。

そのかわりというか、一つ一つのクエストが長い。

というのも、最初に指示された内容を達成すると、たいていは「次にこれをしてくれ」みたいになり、結局三つ四つほどのことをするはめになる。

つまり、今作のクエスト一つで、前作のクエスト三つ分とかになるわけだ。

これってゲームだからいいけど、現実にそんなこと言われたら発狂するよな。

ついでと言わんばかりに何でもかんでも頼むなよと。

そしてそれを喜んで引き受ける主人公。

ほんと、ゲームだからいいけどこれは……

レアブレイドを入手すると、各ブレイドごとにキズナトークが一つと、ブレイドクエストが一つ用意されている。

レアブレイドにスポットを当てるそれらにより、そのブレイドのことをより深く知ることができ、キャラへの思い入れが増すというわけだが、好きなキャラじゃないと若干わざとらしさを感じる面がある。

また、いくつかのレアブレイドはキズナリングの埋め方が特殊で、これもまたキャラクターらしさを演出している。

しかし、すべてのレアブレイドを入手するのはかなり大変だと思うが……

そしてそのブレイドクエストの中には、達成がかなり困難なものもある。

「ヤエギリ」のクエストなんてエンドコンテンツに近い難易度だし、「ニューツ」のクエストはキーキズナギフトの5周目を解放しなきゃいけない(信頼度9800必要)し、ナナコオリちゃんのクエストは今せっせと取り組んでいるがかなり長い道のりだ。

マップについて

前々作は「半」オープンワールドといった感じで、前作はついに完全なるオープンワールドになったゼノブレイドシリーズ。

しかし今作は、マップ自体はかなり広大だが、各地域が完全に分断されているし、地域ごとに見ても「グーラ 上層 右半身」や「ルクスリア 下層」を除けば一本道のようなマップ構造になっている。

そのかわり、上下構造がありかなり複雑な作りになっている。

これにより、マップ内の移動に前作のような自由度がなくなった。

スキップトラベル可能な地点も減り、前作のようなダッシュやドールによる移動もなくなり、マップ内の移動はかなり面倒になった感は否めない。

高レベルエネミーに見つかった際に逃げきりやすくなったので、前作のようなあからさまに配置された「門番」に行く手を阻まれる、ということはほぼなくなったが。

ルクスリア下層なんて、なんであんなにスキップトラベル可能地点が少ないの?

それと、スキップトラベルをする画面でマップを見られるが、もちろんマップに上下関係は写せないので、グーラのような一本道でなくて構造が複雑な地域では、ガイドに示された場所に行きつくのが難しいことがある。

実際、俺はグーラの左半身に行けと言われたとき、文字通り1日中道に迷って過ごしたことがあった。

いや、一本道であるルクスリア上層だって、下層への降り方がなかなかわからず苦戦したが。

今作は、高いところから飛び降りたらダメージ受けて死ぬし。

スキップトラベルするときのマップは地域内でいくつかに分割されており、どことどこが繋がっているかが示されておらず、これも俺が迷子になる要因の一つとなった。

道に迷いやすいこととマップ機能の不備については開発者も認識しているようで、先日のVer. 1.1.1アップデートで少し改善されたとのことだが、スキップトラベルが多少使いやすくなっただけで、ミニマップの倍率追加なんて大して役に立ってないというか、あんなオーバーレイ表示なんか見にくくて使う人なんかいるのかと。

今後も改善に努めるとのことで、あまり期待せずに待ちますも。

ところで、前作では一見登れそうにない崖を登る、登山ならぬ「TOZAN」というエクストリームスポーツが考案されたが、今作ではそういう崖はたいてい本当に登れなくなっている。

今作はオープンワールドじゃなくなった分、崖でしっかりと区切ったということなのだろうか。

かわりに、高いところから飛び降りていかないと辿り着けない地点がいくつもあり、これを開発者は「GEZAN」と呼んでいる。

GEZAN……面白いし悪くないんだけど、ユーザーが見出した文化に公式が乗っかり始めたらアレかな、という感じがしないでもない。

というのは、GEZANは開発者が「ここからここに飛び降りろよ」と用意しているものであって、未知のルートを開拓するTOZANとはまるで性質の異なるものだ。

前作の「ビーハイブロック」から「壊れアンノウンリング頂上」までをインナーで登るルートは、あんなのどう見ても絶対に無理だろってのを本当に登れるのがアツかった。

とはいえ前作のTOZANは“自由形”の部があって、適度に硬い敵がいればどんな切り立った崖も天空の浮島も“ライジングスカイ”(物理)してしまえるものでもあったけど……

TOZANはシーケンスブレイクに繋がり、ゲームバランスに悪影響があるが、一般プレイヤーにはとてもまねのできないレベルなら許されるのではなかろうか。

まとめると、マップについて今作は前作に比べるといまいちだった。

バトルシステムについて

前作のバトルシステムは最悪の一言だった。

本編クリア後のやり込みくらいにならないと、地味にオートアタックでチクチクやりながらたまにアーツを撃つという、いたって単調な作業だったし、やり込んで育成が進んだら、無限OCGからのアーツ連打でこれまた単純作業だった。

回避アクションも回復アクションもほとんどなく、ただひたすらアーツとソウルチャレンジ、というゲームだったわけだ。

一部の高レベルエネミーなんかはそれが前提の設計だったし。

というか転倒ハメor回避ハメor全反射ハメじゃないと勝てないようになってたよな。

武器ごとの格差はひどいなんてもんじゃなかったし(byレイガン使い)。

前作の話はさておき、今作では、オートアタックが3段攻撃、オートアタックをしなければアーツのリキャストが溜まらない、オートアタックをキャンセルしてアーツを使うことで威力が増す、などオートアタックを中心にバトルを組み立てる仕組みになっており、アクション性というかゲーム性が増した。

アーツは各武器に4種類、そこから3種類を選んで使用、とカスタマイズ性は減ったが。

また「ブレイク→ダウン→ライジング→スマッシュ」というドライバーコンボや、必殺技を繋ぐブレイドコンボ、そして属性玉をうまく使ってのチェインアタックなど、バトル中の工夫により大ダメージを狙える仕組みが増えた。

ドライバーコンボやブレイドコンボは一人では(ほぼ)できないという点でも、前作のようなゴリ押しゲー化を防いでいる。

俺はついつい同じブレイドで戦い続けてしまうが、ブレイドスイッチもしっかり使っていかないとな……

味方に必殺技の使用を指示するシステムだが、その味方が必殺技を使用可能な時だけボタンを押せて、押したらすぐに必殺技を使うシステムについてはどうかと。

例えば、今押そうと思って押したらちょうどアーツ動作中になってたり、リアクションを受けてたり……

そういう場合はそれが済んだ直後に必殺技を使う、みたいにしてくれたほうがありがたいよ……ボタン押したのに無言で「今は無理でーす^^」みたいなのはちょっと……

また、アーツの予備動作がクソ長いジークは、たいていの場合アーツを中断して必殺技を使うことになり、もったいないので、現在使用中のアーツが終わってから必殺技を使う、とかでもいいかも。

というわけで今作のバトルシステムについては全体的には高評価なのだが、個人的に気に入らないのは……

一部のエネミー、特にボスキャラは、リアクション攻撃を何種類も次々に使ってくるし、一人でドライバーコンボを使ってくる(というよりいきなりダウンとかライジングとかザラ)ので、こちらが一人になるとしばしばハメられてしまう。

ブローとか食らって、起き上がったらダウンさせられて、ライジングされて、ようやく終わったらまたブローされたり……

そして攻撃も回避も回復もできずに延々と殴られ、なぶり殺しに……と思ったら、これが死なないもんで。

なぜって……俺のトラ(ハナ)は高いガード率からのダメージヒールVで、よほど運が悪くない限りダメージより回復量のほうが上回るんだよな。

というか、悪いのはダメージヒールか、あれは回復しすぎだ。

ハナにダメージヒールを付けたら、よほど高レベルの奴に挑まない限り、他のメンバーが秒殺されようとも、トラが死ぬことはまずないな。

ハナ+ダメージヒールは今作のバランスブレイカーだろうな。

それはさておき、死なないくせに延々とハメられるせいで、レベル的に格下の雑魚敵なのに倒すのに10分以上かかったりするので、「何このクソゲー」ってなるのをどうにかしてほしい。

あと、ラスボスが即死級の全体攻撃を使ってくるが、プレイヤーキャラに回避効果のあるアーツがないと、トラが確率で耐えるのを祈る運ゲーになるのはどうかと思う。

育成・装備システムについて

前作の育成と装備のシステムはものすごく奥が深かった。

ただ、そこまで装備をしっかりしなくてもバトルシステムがクソすぎてどうにでもなった、というだけで。

奥が深すぎて、俺が書いた装備厳選に関する記事のアクセス数が増えまくって、ありがたい限りだった。

冗談はさておき。

でも、あれはさすがに廃人の作業だっただろう。

ポケモンでいうと、個体値が12種類あるのを、あかいいとを使わずに12Vを目指す、くらいの作業量かもしれない。

今作では、装備できる数が大幅に減り、レア装備はあるものの、厳選という作業はなくなった。

俺はまだクリア後のやり込みまで達していないので、レア装備掘りとかについてはわからないが、今作では俺がレア掘りの解説記事を書くほどのことはないと思っている。

だって、もうすでに多くのサイトが解説してくれているだろうし。

俺は、PVが欲しいからといってすでに余所にある情報をブログにしたりはしないポリシーなもんで、前作で素晴らしい攻略記事を掲載した俺が今作もプレイしたからって、あまり期待しないでくれ。

いや、検索からサイトに訪れる人がほとんどであるこの時代に、一個人のブログを楽しみにしている人なんていないか……

まあ、今作の育成システムについて言えば、なんというか……レベルはすぐに上がり、WPはなかなかもらえない、めんどくさいシステムだなぁと。

俺はレベルが上がりすぎるとボス戦が楽勝になりすぎて楽しめない派なので、できるだけレベルを上げないように、道中戦を避けながら進み、ボス戦に至ってレベル不足を感じて初めてレベル上げをする、というスタイルなのだが、今作は少しレベル的に格上のエネミーを倒すと、ものすごく経験値がもらえて、みるみるレベルが上がってしまう。

そんなわけで、今作ではレベル上げという作業をした覚えがないが、それでもストーリー中ではレベルが上がりすぎてつまらなくなったりしたこともあった。

ラスボス(Lv70)戦は最初はLv65で挑み、厳しい戦いだったが一発で勝利することができ(ただし途中で乱入する「タイタン・デバイス」を倒すとレベルが上がった)、まあ適正レベルだったんじゃないかと思う。

上記の通り、ラスボスの全体即死級攻撃をトラが運良く耐えてくれたのもあるが。

続けてもう一度ラスボスに挑むと、2連敗した後に勝利し、レベルが70になってしまった。
タイタン・デバイス恐るべし。

そのうえ、今作には宿屋でボーナス経験値を使うことでレベルアップする仕組みまであるというではないか。

そんなの、全く使わなくてもこのざまだ、はたして俺にはそれを使う機会が訪れるのか……

ちなみに、ボーナス経験値を一度も使わずにいると、いつもレベルが10以上上がるほどの経験値が蓄えられている。

で、レベルはこのようにガンガン上がるのだが、アーツを強化するのに必要なWP、これがなかなかもらえなくて大変だ。

いや、もっと長い目で見て強化するべきなところ、俺が急ぎすぎているだけなのかもしれない。

少なくとも、ドライバーやブレイドのキズナリングがどんどん埋まっていく中、アーツレベルをすべてMAXにするのは非常に長い道のりのような気がする。

しかも、その武器に対応するブレイドとエンゲージしていないと、その武器のWPはもらえないので、例えば新たに出会ったブレイドとエンゲージするとき、それまでその武器を使ってこなかった場合、当分の間はアーツのレベルが低い状態で戦わなければならない。

他の武器に追いつくまでにどれだけかかるか……

ここでテクニックを紹介すると、コモンでもいいからブレイドのキズナリングをすべて埋めると、「武器術入門書」とか「〜指南書」「〜秘伝書」とかいうアイテムが得られるが、これを使用することで結構な量のWPを得られる。

コモンブレイドのキズナリングは傭兵団任務に20回ほど出せば埋められるので、つまらないコモンブレイドが手に入ってもすぐにリリースせずに、まめに傭兵団任務に出せばいいだろう。

ただ、キズナリングの中身によっては傭兵団任務で埋められないものもあるので要注意。

例えば「一撃で○○ダメージ以上を出そう」とかは傭兵団任務では無理で、じゃあ自力でやろうにも、数字の大きいやつはにわか育成ではなかなか達成できないので、WP目当ての場合はそういうブレイドは避けるべき。

俺はブレイド同調を一度に20回くらいまとめてやって、次にレアリティ(王冠マークの数)とキズナリングを確認し、☆1のブレイドは即リリース、☆2のブレイドはキズナリングを見て「キーキズナギフト」(一番左の列)以外に5周目にマスがなく、かつ「傭兵団任務16回」「一撃で○○ダメージ」のマスがないものだけを残す、☆3以上はよほどめんどくさそうでない限り残す、という感じでブレイドの厳選をやっている。

ちなみに、☆1のブレイドで入門書×1(1000WP)、☆2では入門書×3(3000WP)、☆3では指南書×2(5000WP)、☆4のブレイドはよく覚えていないが、☆5のエピックブレイドだと秘伝書×1と指南書×2(10000WP)を得られる。

2018/01/05追記:
☆4のブレイドは指南書×3(7500WP)だと思う。

それと、レアブレイドやエピックブレイドも傭兵団任務に出すことで、面倒なキズナリング埋めを楽に行えるが、各ドライバーの初期ブレイドだけは、レックスの力によりエンゲージを解除したとしても傭兵団任務には出せない。無念。

このセクションをまとめると、装備については奥深さがなくなる代わりにシンプルにまとまり、育成についてはレベルばっかり上がる、という感じで、可もなく不可もなく。

UI・操作性について

UIのひどさに定評のあるモノリス、今作もだめでした。

モノリスの社内にはこのUIについて異を唱える良心はないの?

前作では文字が小さすぎて読めないと散々の評価だったが、今作をやれば前作が恋しく思えるだろう、というレベルでUIはむしろ悪化した。

幸いにして俺は目がいいし、ディスプレイもこだわりのハイグレードなものを使っているので、前作の小さな文字もちゃんと読めたから、なおさらだ。

アプデでましになったが、アプデ前のスキップトラベルの操作なんて嫌がらせのレベルだったし。

UIとUXという用語は時に混同されるが、Web開発者としてそのへんを少しかじっている俺に言わせると、これは完全にUIのせいでUXを損ねてますね。

いやガチ勢さん、使い方間違ってても怒らないでね。

俺が最も我慢できないのは、「アクセサリー」に分類がなくて、ソートも的外れなものしかなく、付けたい装備を探すのに恐ろしく時間がかかる点だ。

そりゃ、全装備の名前と効果を覚えてたら、「名前順」のソートでいいでしょうよ……

そんなの、どんどん新しい装備が手に入っていくのに、いちいち覚えてられないし。

たぶん、そのせいでせっかく手に入れた装備も、存在に気付かないor探すのめんどくさいで、装備せずに終わった人も少なくないと思う……

同種の装備には名前に共通部分があるんだけど、ソートって名前の「頭から」だからね、末尾が共通でも全く、全然、これっぽっちも意味ないも! えっへんですもーーー

何? モノリスやマリオクラブのテストプレイヤーたちは、あれでも難なくプレイできるような猛者揃いなの?

いや、マリオクラブは猛者揃いだけど、そんな人外キャラを相手にしてないで、俺たち人間ユーザーに向けてUI作ってくださいよ。

とにかく、アクセサリーは「筋力が上がるもの」「エーテル力が上がるもの」「オートアタックに関するもの」「ヘイトに関するもの」「〜に関するもの」「その他」みたいなカテゴリに分けて、選択画面ではカテゴリを選ぶ画面を挟むほうがいいと思うよ、これが簡単に実装できてかつ効果が高い改善策だと思うよ。

それに加えて、ソートに「効果が高い順」を追加で。

いらない装備は全部売り払ってしまえばいいんだろうけど、あんなにたくさん装備を持てる仕様なわけだし、しかもコレクター心理的に全部を売ることはできないよ。

コレクター心理といえば、「コアチップ」は数に限りがあるものも多いけど、そういうアイテムってプレイヤーは使わずに温存しようとするんだよね。

せっかく作ったアイテムなのに、プレイヤーは使ってくれないわけだ。

だから、『ポケモン』では「わざマシン」を、長い伝統を断ち切って使い放題に変えたんだよね。

まあコアチップの数に限りがあることの是非はさておき、任天堂さん(ポケモンだからゲーフリか)のUX思想には学ぶべきところがあるよねって話。

バトル中の操作では、「集中攻撃」の指示をワンボタンで出せるようになり、大変ありがたいが、抜刀状態ではジャンプが一切できないせいで、バトル中にちょっと段差を降りてしまったら、元の位置に戻るには一度納刀して、リキャストをすべて放棄しなければならない。

ジャンプ力半減でいいから、抜刀状態でもジャンプさせてほしい……

せっかくBボタン単独では納刀できなくしたんだから、そのボタン操作はジャンプに割り当ててくれよ!

チュートリアルについて

ここでダメ押しというわけではないけど、これもついでに叩いとくか、チュートリアルの投げやりさに定評のあるモノリスさん。

最低限だけを教えて、あとはプレイヤーが自ずと学習するのに任せるという思想、俺は嫌いじゃないよ。

ただ、俺はベテランのゲーマーだし、ある程度は自力で学んだけど、みんながそうじゃないよ。

あと、俺ってけっこう短期記憶力には自信がないから、一度じゃ覚えきれないよ。

今作って説明書すらないじゃん(DL版だからか? パッケージ版にはあったのか?)。

そして、チュートリアルは一度だけ、見直すこともできない。

そんなだからか、後から後から少しずつ“できること”を増やしていって、一度にたくさんのことを覚えなくていいようにしてるのかもしれないけど、チュートリアルを何度も見られるようにすれば、もしくは電子説明書にでも書いとけば、そんな小細工はいらないんだよ。

だって、せっかく操作に慣れてきたのに、新たな操作を増やされたら、かえって混乱しない?

ストーリー終盤に追加される「覚醒ホムラ/ヒカリ」の操作方法なんて、いまだに曖昧だよ。

というか覚醒ホムラ/ヒカリのブレイドコンボのルート選択って何ボタンでするんだっけ? 制限時間ってどこに表示されるんだっけ? 制限時間って伸ばせたっけ?

アプデで「TIGER!TIGER!」にイージーモードが追加されたけど、あんなゲーム内ミニゲームですら難しすぎたというユーザー層に向かってゲームを作っているんだ、という現実をもっと直視したほうがいいよ。

Switchの他のゲームはまだ買ってないから知らないんだけど、Switchのゲームって電子説明書は一切ないの?

俺はゲームを買ったらまず説明書を一読して予習する派だから、説明書は欲しいんだけど。

まあ最初に言った通り、今作のチュートリアルに対するモノリスのモラトリアム(韻を踏む)、俺は嫌いじゃないよ。

グラフィック・サウンドについて

俺は、本当に美しいものを見分ける目も、本物の音や音楽性を聞き分ける耳も持たないから、こういうものに関する評価はあまりできないんだけど、主観的にいいか悪いかで言えば、グラフィックとサウンドに関して文句はない。

個別具体的なことを言えと言われたら、いいことに関しては「いい」としか言えないけど、良くないことに関しては挙げられるけど。

いや、音に関してはほんとに、評価なんて到底無理。「あたまわるいひと」ばりに「よかった」としか言えない。

グラフィックも、特に今作のような3DCGについては知識不足で、どう評価すべきかよくわからないが、例えば……

前作では「胸」のモデリングがダメって言われてたよね、特に巨乳が……

今作のモデリングは、体の隅々まで至ってきれいだと思うけど。

服もきれいだと思うし、モーションもモーションキャプチャーまでやってるみたいだし、動きはかなり自然だと思う。

重箱の隅をつつくようで悪いけど、2点だけ。

体の向きを変える動きが、単にターンテーブルを回したようにくるっと回るの、あれは何度見ても不自然だったな。

後ろを向くときって、足踏みをするからねぇ、それを再現するのは難しいんだろうか。

あと「歯」かな、アオリで顔のアップを映すとき、口の中が見えるんだけど、特に上の歯が長すぎて笑ってしまう。

他は特にないけど、やっぱ3DCGはいろいろ難しいだろうし、今の技術でそこまで求めるのは酷だろうか?

そういえば、昔から気になってるんだけど、3DCGって、どうしても服を体が貫通したりするよね。

今作に関してはそこまでひどいのはなかったけど、あれって今の技術じゃ防げないのかな。

あと、これは感想でも評価でもないけど、今作の女キャラって、アレが揺れすぎ。

なんだ、3DCGの技術力を見せつけんが如く揺らしまくってない?

俺、貧乳が好きだし巨乳はむしろ嫌いなんだよね……

Switchについて

俺はゼノブレ2に合わせてSwitchを買ったから、まずはSwitchのコントローラーに慣れるところから始まったんだけど……未だにボタンを間違えるっていう。

PROコンがおすすめなのは重々承知なんだけど、高くてなかなか手が出ない。

俺はJOYコンを充電グリップに付けてプレイしている……いやこっちもけっこう高かったが。

で、JOYコンの左ね、マイナスボタンがあるほう、あれが……

あの位置にあの形のマイナスボタンを付けた人、バカなの?

スティック越しにあのボタン、押せねぇよ。

しかもなんでボタン自体が「マイナス」の形してんの?

あんな当たり判定の小さいボタン、よく考えたな。

なんで俺は、ゲーム内じゃなくて現実世界で「当たり判定」の話なんかしてんの?

これまで数々の素晴らしいコントローラーを作ってきた、世界一のコントローラーメーカーである任天堂が作るコントローラーかよ、あれが。

横井さんが泣いてるぞ、あれは……と思ったら、JOYコンには十字ボタンすらなかったね。

コントローラーはさておき、Switchというのは本体の起動も早いし、ゲームの起動も早いし、ゲーム中のホーム画面への遷移と復帰も早いし、まったく素晴らしいハードだな。

そんなハードで、据え置き機のゲームが、しかもどこでも遊べるなんて、いい時代になったものだな!

ただ、最近気付いたんだけど、俺はSwitchをドックに差して、HDMIで1080pのディスプレイに繋いでプレイしているのに、どうやら実際に出力される映像は720pっぽいんだけど、どうなってるんだ?

途中にHDMI分配機を挟んでるのが良くないんだろうか、でもWii Uではちゃんと1080pでいけたのに。

本体設定の解像度にも「自動」と「720p」はあるけど「1080p」はないぞ。

ムービーについて

さて、ここまでいろいろ不平不満を垂れ流してきたから、最後は褒めるか。

今作にはムービーがたくさんあり、「ムービーシアター」で見直すこともできる。

そこで、俺のお気に入りの名シーンを紹介。

まあ、ハナちゃんが出てくるムービーはだいたい好きだが……

●第四話・「温泉にて」
温泉回、ハナちゃんの貴重な裸シーン(棒読み)

●第四話・「私のご主人様は――」
ハナちゃんの二人称は、相手が姉様でも「お前」

●第四話・「チェンジ・JKモード・スイッチオン」
JKのパンツ(本当)

●第六話・「ルクスリアの秘密」
最初からハナちゃんに任せておけばよかったんや……

●第七話・「斜陽」
(たぶん)同い年の女の子にグーで殴られ、お姉様にビンタされ、さらにメカの剛腕が……

●第七話・「黒き天の聖杯」
……モナド!?

●第八話・「約束」
ハナもいつかは……世界を壊してしまうのかな――俺のガチ泣きシーン

●第十話・「足元に転がるもの」
どうしてもトラとハナだけシリアスになりきれない。そして敵にするとトラ強すぎ(味方でも自キャラでも強い)。

●第十話・「星の記憶」
すごく長いが、これが本作の核心。つまりメカ。

●第十話・「そして少年は少女と出逢った」
ハナちゃんって泣くのかな。涙を流す機能はあるのかな。それって機能なのかな……

見事に感想がほとんどハナちゃん関連だぜ、これ『ゼノ人工ブレイド』ってゲームだっけ?

総評

ここまで長々と書いてきたが、俺的に『ゼノブレイド2』というゲームは……

面白くて感動した素晴らしいゲームだった!

前作と比べるなら、より優れているのは、ストーリークリアまでは今作、ゲーム性も今作、UIとやり込み要素は前作、という感じか。

今作にも多少の不満はあるけど……

いや、多少なんて量じゃないだろ、と思ったあなた、人間ってのは不満や批判を書くときには自然と筆が進んでしまうものなのですよ。

それに、この批判は俺のモノリスに対する愛の成せる業だ。

と思ってもらうことにして、今作は他人におすすめできるレベルのゲームだと言える。

まとめ

ハナちゃんかわいい。

ナナコオリちゃんかわいい。

このゲームはそれだけで、他に何が必要だっただろう。

この二人の姿を見、声を聞くだけのゲームだったとしても、俺は同じ金額を払っただろう。

その上『ゼノブレイド2』なるゲームを遊べるのだ。

俺は幸せ者だ。

生きててよかった。

この世には辛いこと、悲しいこと、間違ったもの、醜いものがある。

些細なことだ。

この世にはハナちゃんがいる。

ナナコオリちゃんがいる。

この素晴らしき世界。

――What a Wonderful World.

この一年の終わりに。